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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第2部 SM観の大転換-18

「多分麗さんは、パパとママが事故で亡くなったと知ったとき、その夜にそう思ったことを思い出したんだよ。
そして、キライだなんて思って悪かったと、強く思ったんだと思うよ。
だから、キライだと思ったことを心の中で否定したくて、その夜見たことの記憶を封印してしまったんっじゃないかな?」

そうご主人様に指摘していただいて、私はハッと思い出しました。
迎えに来てくれた車の中でパパとママが死んだのを知らされたとき、
ご主人様が指摘された通り、私はすぐ、その夜パパとママをキライと思ったことを、思い出したのです。
そして、私がそんなことを思ってしまったから、パパとママが死んでしまった
ではないかと疑い、とんでもないことをしてしまったと自分を責めたのです。
その後、保健の先生に抱きついて泣いたことまでは思い出せるのですが、そこから先の何ヶ月間かのことは、まったく記憶がないのです。

私はそれらの思い出したことを、全部ご主人様にお知らせしました。
「なるほど、そうだったのか。
そうすると、そのとき麗さんが自分を責めてしまったとき、愛の命綱が最初に一番強く働いて、その夜の記憶を封印してしまったんだろうね。
でも、記憶は封印されていただけで消されたわけじゃないから、時間が経つと何かの拍子で甦ることも考えられるから、それが悪夢になって表われたんだと思うよ。

それと、大事件の後おばあちゃんの部屋に行けなくなったことも、それと同じ理由だろうね。
おばあちゃんの部屋に行こうとすることとキライと思ってしまったということが、同時に起きて無意識のうちに結びついてしまったから、キライと思ったことを封印しようとすれば、おばあちゃんの部屋に行くことにも、強い心の抵抗ができてしまったんじゃないかな?」
ご主人様は、そう返信してくださいました。
私は驚きましたが、その後のメールでさらに詳しく説明してくださったので、すべて納得できました。

かいつまんでいえば、こういうことです。

私はおばあちゃんの部屋に最後にお泊りした夜、母屋へぬいぐるみを取りに行った帰りにパパとママがSMプレイをしているのを見てしまい、ショックを受けておばあちゃんの部屋に戻るとき、パパとママがキライだなどと思ってしまいました。
ところが、その2日後にパパとママが事故で死んでしまう大事件が起き、それを私がパパとママをキライと思ったからだと自分を責めたので、パパとママが私の心に作ってくれていた愛の命綱が働いて、その夜見たことと思ったことの記憶を全部封印してしまい、キライと思ったときにしようとしていたおばあちゃんの部屋に行くことにも、強い抵抗を作ってしまったのです。

悪夢で私が裸で縛られているように思ったのも、パパとママがそういうことをしていたと、それにつながる私がキライと思ったことも、ともに認めたくないという思いが無意識のうちに働いて、ママが私に置き換えられてしまったのだ
と解釈すれば、理解できます。
このようにしてご主人様は、三つの謎のすべてを、見事に解き明かしてくださったのです。




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