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『あるM女の告白』
【SM 官能小説】

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第1部 ご主人様との出会い -5

5.変質者情報

それから月日が経ち、中3になって間もないある日。
HRで1年の子が変質者に路地に連れ込まれが、逃げ出してなんとか難を逃れたという変質者情報が伝えられ、学校側から注意が促されました。
その日の帰り、私の唯一といってもいい親しい友だちの美月さんが、連れだって駅に向かって歩いていたときに話しかけてきました。
「ねぇ、麗、今朝の変質者の話だけど・・・」
「はい」
「被害にあったのは私の家の近くの子で、私、逃げてきたその子に出くわした んだよね」
「えーっ、それ本当ですか?」
「ホント、ホント、泣いちゃっているその子を、私がその子の家まで連れて いってあげたんだから・・・」
「うわぁ、すごい!さすがは、美月さんですね」
まるで先輩と後輩の会話みたいに聞こえるでしょうが、「です・ます調」でし か話せない当時の私は、同級生で一番親しい美月さんとでさえ、こんな調子でしか会話できなかったのです。
そんな私でも敬遠せずに親しくしてくれる、さっぱりした性格で男勝りの頑張り屋でもある美月さんだけには、張っていた心のバリアを少し緩めることができ、気が和みました。
「その子、今日は学校休んじゃってるよ」
「そうですか?それはかわいそうに・・・」
「でも、それはそうだよね。路地に連れ込まれたうえに、おちんちんを出して見せつけられて、『しゃぶってくれ』なんて、いわれたんだから・・・」
「キャー、やめてーーっ!」
私はそう叫んで立ち止まってカバンを地面に置き、両手で耳を押さえて座り込んでしまいました。
「麗、どうしたの?」
怪訝な顔をして私を覗き込む美月さんに、私は両手で耳を押さえたまま、べそをかいて激しく首を振るのみでした。
「なあんだぁ!うぶなお嬢さんの麗には、生々しくて刺激が強すぎちゃったのかぁ!
ごめん、ごめん、もうこの話はしないから、忘れて!ねっ、ねっ!」
そういって美月さんが優しく宥めてくれたので、私はようやくパニックから脱することができ、カバンをもって立ち上がりました。
「大丈夫?」
美月さんは、片手で私の背中をさすりながら、尋ねました。
私はコクンとうなずいて、歩き出しました。
このことが,あの悪夢の、引き金になったのでした。



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