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fantasy ability
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reality ability‐第13話‐皇希の【真】の力と“刻印詠唱”‐-3

‐時は少し戻り、屋上にて‐

「‥‥という事をそいつに言ってないだろう?‥‥オレは貴様の父親の身体で母親を殺した事を!!‥‥っと!!!」

ナイトメア・アビスが言っている最中、皇希は幻想具現化のクナイを形が消える速度で投げた。しかし、躱された。

「‥‥くっくっくっ。貴様も感情的になるのだな?流石に知らなかったぞ?」

ナイトメア・アビスは持っていた剣の先を皇希に向けた。皇希が喋る。

「‥それは知っているだろうな。母さんの事だ。話すだろう。‥‥で、遺言はそれだけか?」

皇希の姿が消えた。‥‥織音には見えなかった。しかし、ナイトメア・アビスは皇希が自分の左側からの攻撃を捌く。

「ふっ、どうした?‥‥まだまだ、こんなものではないだろう?」

皇希はナイトメア・アビスの挑発にのったのか、更なる攻撃をするようにまた姿を消した。‥‥やはり、織音には見えなかった。
しかし、ナイトメア・アビスは反応する。背後からきた皇希に剣で攻撃する。だが、残像のようで剣は空振りに終わる。
否、空振りにはならなかった。その剣の軌道が右に変わり、本物の皇希へと当たると思われたが、違った。俗に質量を持った残像と呼ばれているだろう。
質量を持った残像に動揺するナイトメア・アビスの剣は一瞬の迷いを誘う。皇希には一瞬で充分だった。皇希はナイトメア・アビスの懐に入った。

「‥これは‥‥どうだ?‥」

皇希は凄まじい勢いで剣を振り切った。だが、ナイトメア・アビスは瞬時に後退した。‥‥重そうな鎧の動きではなかった。

「‥‥危ない、危ない。‥流石に、“力”を解放しているようだな?」

ナイトメア・アビスの表情は鎧の仮面なのに想像出来た。

「‥お喋りは死ぬぞ?いや、殺すか?」

皇希の瞳は人殺しの瞳になった。その殺戮の瞳は暴走した頃を思い出される。織音の背中には冷や汗が流れる。

「ふん!‥貴様が“歴史を変えた”!!それが二つ目だ!」

ナイトメア・アビスは憤怒の声で皇希に言った!右腕を前に伸ばし、皇希を目標に人差し指で指している。有り触れたポーズだった。
しかし、そのポーズからの執念というか、憤怒のよえな雰囲気が異様に出ていると思えた。

「‥‥貴様は、この“繰り返される世界”を壊し、“螺旋状の世界”にしたはずだ。」

ナイトメア・アビスはこの世界、幻想界の事を言った。‥‥‥“繰り返される世界からの螺旋状の世界へと”‥‥。
だが、これだけでは織音には解らなかった。‥‥ナイトメア・アビスは織音を見た。そして、衝撃的な事を言い放った。

「‥‥ふん。そこの運命神に教えてやる。‥‥本来ならこの後にオレはコイツに“封印”されるだろう。‥‥そして、“コイツの子供”が復活するオレを倒すだろうな!」
「‥‥‥!?」

余りの事に織音は混乱した。‥しかし、ナイトメア・アビスは至って普通の様子で皇希を見た。


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