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fantasy ability
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reality ability‐第13話‐皇希の【真】の力と“刻印詠唱”‐-1

‐あれから数分後の凱影城、最上階の屋上‐

そこは凹凸型の壁があるだけの一般的な城の屋上だった。織音は階段から出てくる。周囲を見渡す為に階段からの直通になっていた。
黒い“何か”‥ナイトメア・アビスは物体的な“身体”を持っていた。‥‥どうやら、何かを憑代(よりしろ)にしたらしい。
対する皇希は覚醒状態のまま。身体には数ヶ所のかすり傷程度の怪我をしていた。‥‥劣勢な状況は変わる事はなかった。
と、そこに織音が皇希に近付こうとするが、結界によって出来なかった。‥恐らく皇希が張ったものだろう。
被害を抑える為の行動をいつもしているのだから、力を分散しているのだろう。‥‥そう、“制限値”以上の攻撃を出来る皇希だから。
故にナイトメア・アビスだけに力を使う事が出来ない。‥本気なのかは解らないが。だが、現状は劣勢な状況。
皇希は織音に冷酷といえる言葉を喋る。しかし、顔はナイトメア・アビスに向けている。織音も予想はしてたようではあるが表情は少しだけ歪む。

「何故、来た?‥織音がここに来る必要はないが?それに邪魔だ。」

少し間を置いてから織音が喋る。一瞬のように短くも一時のように長くもない。

「‥‥‥‥‥。それは“力”を見られたくないから?‥‥それとも、皇にとって“イレギュラー”だから?」

嫌味を言うように織音は喋った。その表情は矛盾しているように真剣だった。

「‥‥‥‥‥」

皇希は無言となり、ナイトメア・アビスを迎え撃つように構える。

「‥‥ふっ。‥‥無神 皇希よ!‥貴様は弱虫だなぁ!“真実”、一つまともに言えないとは。」

ナイトメア・アビスは皇希は愚弄する。‥しかし、“真実”を知っている?いや、当たり前だ。少なくとも黒幕の当事者だ。

「‥‥フフ。いいだろう。貴様の代わりに答えようじゃないか!?」

ナイトメア・アビスは何を言おうとしているかは解らないが、皇希が織音に言いにくい事ではあるだろう。

「‥‥まず、一つ目は─────」





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