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イート・ミー!
【コメディ 官能小説】

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イート・ミー!-8

「苦しいでしょ? 楽にしてあげる」
俺と視線を合わせたまま器用に片手でベルトを外す。焦らすようにジッパーを下げ、下着の上から俺のものを撫でた。当然、そこは山をつくっているわけで。
「っ……せん、せ……ヤバいだろ」
呻いた俺の口に人差し指を当てる。
「ヤバいのは、君のここじゃないかしら」
もう片方の人差し指が俺の下着にかかった。黒のボクサーパンツがゆっくりと下ろされていく。
ほらね、と俺のものを擦りながら高砂は言う。
「ん……っ」
ゆるゆると与えられる快感に耐えきれず、俺は高砂の腰に手を回して引き寄せる。
高砂の笑みが深くなり、彼女は俺の手を取って自身の乳房に誘った。
「ああん……いいっ……はぁっ」
ブラを押し上げ直に胸を揉みしだく俺の上に乗り、高砂は腰を揺らす。入れてもいないのに微かな水音が聞こえた。
「なあ……俺、もう」
「あん、いいわよ……挿れたいんでしょ?」
硬くなった俺のものを掴み、高砂は自身のスカートの中へそれを導いて――……



「――聞いてるの、佐藤くん」
「………」
また、だ。
生々しい妄想の世界に誘われていた俺は、怒ったような高砂の声に現実世界に引き戻された。
しかしなんとリアルな感触。高砂のナマ乳を揉んだ感覚がまだこの手のひらに残っている。
「佐藤くん!」
「は、はい」
呆れたように溜息をつき、高砂は生徒指導室の扉を開いた。
俺は思わず目を見張り、ごくりと息をのむ。
「あ、中まで入らなくていいわよ。ちょっと待っていて」
そんな言葉に肩透かしを食らうが、俺はそわそわしながら高砂を待った。やがて指導室から出てきたその手には、古雑誌や参考書、プリントの束。
「君、最近勉強に身が入っていないんだって? 先生方が仰っていたわよ」
「それは」
イトコとのセックスが激しくて、最近ではそのセックスをしなくなったからかどうにもムラムラするんです。
そんなこと口が裂けても言えるわけがない。
「………」
俺は口を噤んだまま視線を逸らす。
「まあ、いいわ」
高砂は言って俺にビニル紐でまとめられた束をふたつ、俺に手渡した。束の重みがずしりと両腕にかかる。
「は?」
「今時他校の不良と喧嘩、なんて思っていないけど、先生に言えないことなら辞めなさいね。来年は受験なんだから、今からしっかり勉強なさい」
高砂の説教はともかく、俺は自分の両腕にかかる重みに眉根を寄せる。
「これ、何すか」
「ああ、これ」
俺が問うと、高砂はにっこりと笑った。
「本当は簡単にお説教だけするつもりだったけど、せっかくだから処分してもらおうと思って」
「処分て」
聞けば、教師達は古い参考書や不要書類をここに溜め込んでるんだという。そろそろ処分しようと考えていたところ、俺がいたわけだ。小言のついでに焼却炉まで持って行けと言う。
「大掃除の時に行けば……」
「ダメダメ、今週中に処分しろって言われたの忘れてたのよ」
言いかけた俺の言葉を遮り、高砂は俺の肩をぽんと叩いて言った。
「それじゃ、よろしく頼むわね」
手を振って去っていく高砂。
香水か、ふわりとバラだか何だかの香りが俺の鼻孔をくすぐり、俺は反論するタイミングを逃して大きく溜息をついたのだった。



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