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先生の観察日記
【学園物 官能小説】

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二人の距離-2

――――――

朝のホームルームのあと、人気の少ない廊下を歩いていると、向こう側から先生が来るのが見えた。
なんてタイミング。今は会いたくなかったな…
橋本クンにイカされて、まだ1時間も経ってない。
先生とは曖昧な関係だけど、裏切ってしまったような罪悪感があった。
「おはようございます。」
「あぁ、おはよう。」
「…あの、期末テストが終わるまで、実験のお手伝いはお休みします。」
「ふぅん、そうか。珍しいな。まだ一週間以上もあるというのに。」
「…失礼します。」
「―待て江口。」
先生は行こうとした私の腕をつかみ、グイッと引き寄せ、首筋あたりに顔を沈めるような体勢になった。
「ちょっ―、先生っ!」
「あぁ、悪い悪い。じゃあ、テスト勉強頑張って。」
先生はそのままスタスタと歩いていった。
教官室以外で、こんなことをされたのは初めて。
誰かに見られたらどうするんだろ……ひょっとしてキスマーク見られた!?
でも、髪にしっかり隠れて見えるはずがない。
今のなんだったんだろう…?


――――――
放課後…

気付けば教室の周りは、すっかり日が暮れていた。
いつもは理科室で勉強していた私だが、行ったらやっぱり先生に会いたくなっちゃいそうで、今日は教室で勉強することにしたのだ。
夜の学校は人気もなく、暗闇を見ていたら何かが見えてしまいそう。
「…帰ろ帰ろっ」
ガラッ!
「きゃあぁっ!!」
「うわっ、なんだ、江口か。」
「橋本ク〜ン!もうおどかさないでよ!…委員会だったの?」
「そう。…もう暗いから、また一緒に帰るか。」

――――――

電車を待ってる間。
「よかったらさ、これから時間が合うなら、一緒に登下校しない?また痴漢に遭うの、イヤだろ?」
「…いいの?」
迷惑かけちゃいけないと思ったけど、正直もうあんな思いはしたくなかった。
やっぱり橋本クンは優しいな…


ホームに入ってきた電車は、朝と同じく人がいっぱいでぎゅうぎゅうだった。
「ちょっと怖いかも…」
朝、痴漢に触られた感触を思い出して鳥肌が立つ。
「大丈夫。また扉側に立てば俺が誰にも触らせないって。」
橋本クンが私の腕を引いて電車に乗り込む。
列の最後尾に並んでいた私たちは、扉側に乗ることに成功した。
扉が締まって電車が走り出すと、人々は外との温度差で力が緩み、その分重さが押し寄せてきた。
私が押しつぶされるのを、橋本クンの両腕が守ってくれる。腕は、私の肩をふわっと抱くような形で回されていた。
「あったかい。…私眠っちゃいそう。」
「またか(笑) いいよ、お前の快眠を俺が保障してやる。」
「…ふあぁぁ。おやすみぃ」
腕に頭をもたれかけさせ、目をつむる。橋本クンの腕の中、安心するー。
柔軟材の優しい匂い…眠りに落ちるのにそう時間はかからなかった。


「おーい、着くぞー。」
ほっぺたを、橋本クンの指がぷにぷに握っていた。
私は丸々30分間眠っていたことになるのか…
「ゆすっても起きないとか、どんだけぐっすり寝てたんだよ。」
「ぅーんん…おはよ。」
まだ頭に心地よいもやがかかっている。
…あれ、お尻に当たってるの、なんだろう?
ぎゅっ、「はぁうっ!江口、それは俺の…」
「あぁっ、ごめんね!傘か何かかと…」
やだもう!私ったら、寝ぼけてて、気付いたら橋本クンの…



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