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愛しのお菊ちゃん
【ホラー 官能小説】

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愛しのお菊ちゃん15-5

「俊樹さまっ!俊樹さまっ!」
僕がもがく事によってお菊ちゃんも下からグリグリと突き上げられるのだろう。
もう一刻の猶予もないって感じで身体をくねらせて悶えている。

「あぁぁ!お菊ちゃん!」
すると今度はその刺激が僕の肉棒をビンビンと締め上げる。
まさに快楽のスパイラル。

「あぁぁぁぁっ!」

「うくぅぅぅぅ!」

殆ど同時に早くもいっちゃう僕とお菊ちゃん。
初めての騎乗位はエッチ初心者の僕とお菊ちゃんにはちょっと刺激が強すぎたみたいだった。

よっぽど気持ち良かったのか。
さっきの痴女ぶりは何処へやらのお菊ちゃん。
ベットにコテッて横になるとスーピー、スーピー眠り始めている。

本当に可愛いなぁ。
そんなお菊ちゃんの姿を見つめながら僕はトイレに発った。


用を足し洗面台で鏡に映った自分のニヤニヤ顔を見ている時だった。
「あっ!」
僕の背後で白い靄が固まって…ゆっくりと形をなしてゆく。
徐々に人の形を取ってゆくその靄。
突然現れて僕を驚かす事のないようなその現われ方に僕はピンときた。
「さ…貞ちゃん?」
貞ちゃんならお菊ちゃんと同じで怖くない。
いつの間にか僕はそう思えるようになっていた。
あんな話を聞いてもだ。

『こんばんは』
間違いなく貞ちゃんの声が脳裏に響いてきた。
そして次第に形がはっきりとスケスケネグリジェの貞ちゃんになってゆく。

「貞ちゃん…こんばんはってまだ夕方手前だよ」
これにはビックリ。
僕の口…自然に貞ちゃんに軽口を叩いていた。

「いいの!お化けの挨拶は他には『恨めしやぁ…』しかないんだから」
すっかり人間の形になった貞ちゃん。
これもビックリ。
有名な怨霊とは思えない軽快なノリで言い返してきた。

「うちのマンションの裏はスタバだよ…めし屋じゃないかな」
こうなればとばかりに軽口をたたみ掛ける僕。

「バカ…」
小さく笑う貞ちゃん。
なんか本当に楽しそうな笑顔。

「あらっ…幽霊さんから見ても僕ってバカなの?」
更にオドける僕。

「ホント…バカ正直…でも…」
貞ちゃんは小さく微笑み続けながらも目をウルッとさせた感じで僕を見つめてる。

「貞ちゃん…」
此処ならいいかなぁ…って思って貞ちゃんの腰に手を回す僕。

「だめ…お菊さんに悪いから…」
僕の手をスッとかわす貞ちゃん。
律儀な幽霊さんだ。


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