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七ノ森学園♂♀騒乱記 -咲けよ草花、春爛漫-
【性転換/フタナリ 官能小説】

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-続・咲けよ草花、春爛漫--11

(今日はダメかな)
小さく溜息をついて本を閉じた。
そもそも真面目に部活をやろうと思って文藝研に入ったわけでもなし。この文藝研自体そういうスタンスだしな。活動内容は薄っぺらくても構わない、ただ誰かの居場所となるところであればそれだけでいいなんて藤村元副部長の言葉を思い出した。
俺は苦笑して本を机に置き、睨み合う鈴代と函部に言った。
「ま、次の発行までに原稿間に合わせてくれりゃ、やる気があろうがなかろうがいいよ。多分、御形先輩もそう言うだろうし」
気楽に行こうぜ、と俺は続けた。
「きっかけは何であれ、数多くの部活からこの文藝研を選んで出会ったんだ。今は人が少ないから難しいかもしれないけど、何となくひとりでいるのが寂しくなった時にここに来たら誰かがいて、他愛のない話ができる――そんな場所であればいいと思うぜ」
鈴代の買ってきたオレンジジュースを一口飲んでから、俺は肩を竦める。
「前副部長の受け売りだけどさ」
そんな俺を函部は睨むように見つめてか細い声で言う。
「先輩、ずるい……」
不貞腐れたようにそっぽを向いてから、ちらりと横目で俺を見やる。
「顔と身体だけじゃなくて、中身まで本気で好きになっちゃうじゃないですか」
そんな函部に、俺は苦笑した。
そして、先程からこちらに視線を向けている鈴代を見やって眉根を寄せた。
何? と問う俺に鈴代は至極真剣な顔をして言う。
「本当、マジ惚れするだろ」
そんな鈴代に、俺は読みさしの本を投げつけたのだった。



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