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〈利益の卵〉
【鬼畜 官能小説】

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〈利益の卵〉-17

「やめてッ!!や、やめてぇ!!!」


顔を真っ赤にして泣き叫ぶ表情も、立派に男共の食欲を誘うものだ。
羞恥にうちひしがれる美少女の姿ほど美しいモノは無い。
その美しい被写体を撮り逃すカメラマンも、無論いるはずも無い……。


『お、オイ!真奈のバカがもう来やがったぞ!!』


一人のスタッフが慌ててスタジオに飛び込んできて、うろたえながら早口でまくし立てると、他のスタッフ達もあわてふためきながら美優を放した。


『オイ美優、今のは誰にも言うなよ!言ったらオマエのマ〇コの映像ネットに流すからな!!』


脅迫とも懇願とも取れる言葉をまくし立て、スタッフは美優を睨んだ。
と、そこに真奈と呼ばれる少女がスタジオに入って来た。


『ちょっと、最近私の撮影が少ないんだけど?』


スラリとした背の高い少女は、泣きじゃくっている美優には目もくれず、臆する事なくスタッフ達に詰め寄っていた。
真奈はこの事務所では美優よりも先輩で、年齢も二つほど上である。
過激なポーズも難なくこなし、Tバックの水着での撮影すら厭わない少女であった。
当然、その話題性たっぷりの美少女の写真集はマニアを虜にし、この事務所のトップアイドルに君臨していたが、突然現れた佐藤みゆうの存在に、最近は影が薄くなっていた。
トップの座を奪われそうな真奈は嫉妬にかられ、今日の美優の撮影を邪魔しに来たのだ。


『早く撮影始めてよ。今日の私、コンディション良いんだからさ』


スタッフ達の話も聞かず、自分の我が儘を口走り、大袈裟なジェスチャーでアピールし続けている……長い黒髪・やや切れ長な瞳の整った顔・丸く膨らんだ胸・見事なくびれに大きな尻・スラリと長い脚……自分の身体の美しさに絶対の自信を持つ真奈は、子供そのものの身体をした美優の人気が気に入らなかった。
はっきり言えば、美優が嫌いなのだ。


『……なに泣いてんの?そんな顔で撮影する気?バカじゃないの、アンタ。早く帰って!邪魔だから!』


真奈は美優の腕を掴んで無理矢理立たせると、その背中を両手でドンと突き飛ばした。
そして、そのまま座り込む美優の後ろ姿を、汚い物でも見るかのように見下ろしていた。


「……私……帰ります……」


ゆっくりと起き上がり、トボトボと更衣室に向かい、そのままパタンとドアを閉めた。
まだ涙は止まらず、ポタポタと光がこぼれ落ち、床に砕けて消えていった。



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