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七ノ森学園♂♀騒乱記 -咲けよ草花、春爛漫-
【性転換/フタナリ 官能小説】

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-咲けよ草花、春爛漫--8

『例えば、ここをこうする』
『!』
説明の途中、鈴代はそう言っていきなり俺の胸を揉んできた。
『ばっ、馬鹿野郎! そこで実践しなくてもいい!』
いくら女の身体だって、男にこんなことをされるのは気持ち悪いものだ。特に、この鈴代が相手ならば。ちょっと女子に人気があるからって、誰もがお前に触られて喜ぶと思ったら大間違いだ。
俺ははっきりそう言ってやった。すると、鈴代はこう言ったのだ。
『実はさ、ミハルの顔ってすごい俺のタイプなんだよね』
そりゃ、固まるわ。だって、このタイミングでそんな告白されても困る。
『俺はお前タイプじゃねぇよ』
『つれないなー。まあ、そういうわけだからさ』
何がそういうわけなんだ。鈴代はその爽やかな面に一瞬影を落とした。妖しい笑みを浮かべたと思ったその瞬間、俺は天井を見上げていた。
『なっ、てめ……!』
『欲求不満なんだろ? いいぜ、俺がよくしてやるよ』
『誰がお前なんかに! 自分がヤリてーだけだろうが!』
『悪い? 別に、いいじゃん。二人共気持ちよくなれるんだからさ』
冗談じゃない! 俺は鈴代の身体を突き飛ばした。
中指を立てて、尻もちをつく鈴代に言ってやる。
『ふざけんな、お前なんぞにタダでヤらせるかよ!』
『へえ……タダじゃないならいいんだ?』

それで、了承してしまったのがマズかったんだ。
『学食の食券で手を打ってやる』
朝晩の食事は寮で用意されるものの、昼間は自分で用意しなければならない。
一食約500円×365日の出費は、学生には痛い。
それで、俺は500円の食券一枚と交換で鈴代におさわりさせることになったのだ。
先にも述べたが、当初はこの金額で妥当くらいだと思ったんだ。今では、本当に後悔している。

降りしきる桜の花びらを眺める俺に、男になんか戻るなよと笑いながら鈴代は言う。
俺は視線を傍らの鈴代に向け、舌打ちをした。
「アホか! 俺は一刻も早く戻りたいんだ」
「だって戻っちまったらこんなこともできないだろ」
言うなり、後ろから抱きついてくる。
「止めろって!」
俺は鈴代の身体を引き剥がしながら言った。
「あのさ、俺は男なんだぜ、オトコ! 前から言おうと思ってたけど、お前気持ち悪くないの?」
「だってどっからどう見ても女の子だから。しかも超美少女」
真顔で“超美少女”なんて言うものだから、俺は照れ臭くて思わず視線を逸らしてしまう。
「だからって……中身は男って知ったら嫌だろ、普通」
俺だったら嫌だけどな。
鈴代がいきなり俺好みの超美少女になったとしても、付き合いたいなんて思わない。
それはこいつの性格を知っているせいもあるのだろうけれど。
鈴代は肩を竦めて言った。
「そりゃ柔道部の谷和原田や剣道部の兼崎がいきなり美少女になったとしたら嫌かもしれないけど」
屈強な彼等が美少女に、なんて俺は想像できなくて、思わず二人の女装姿を想像してしまい、気持ち悪くなった。
鈴代は言いながら、また俺を妖しげな目で見る。
「お前はもともと女っぽいしな」

両刀(バイ)の気でもあるのかお前はっ。
あれだけ男の時にはトゲトゲしていやがったのに、女になった瞬間これだ。俺は改めて鈴代に呆れ、こめかみを抑えた。
そんな俺の身体を、鈴代は不意に後ろから抱き竦める。そして左手を俺の胸に回し、右手を俺の太腿に這わせてきた。
「え、ちょ、ちょっと待った!」
太腿の手は、次第に上に上がっていく。
「それは無理、ダメだ鈴代! 追加料金取るぞ!」
「いいよ」
あっさり言ってのけ、鈴代は俺の耳元で囁いた。
「一回ヤラせてくれるなら、言い値で買ってやるよ」
ゾクッとした。低く甘く耳朶に響いたその声に、思わず俺の思考回路は停止寸前になった。
「それ……でも、ダメだって」
何とか理性を保ち、俺は首を横にする。
しかし鈴代は構うことなく俺の胸を揉み上げてきた。


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