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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ5-4

「起訴出来ないかも知れないってどー言う事だよ!」
誠司と睦美、そしてマコだけとなった事務所の中で。
マコは睦美に噛み付いていた。

「いえ…銃刀法違反なら…」
煮え切らない睦美。
睦美の言い分はこうであった。
被害者がいなくなってしまった以上、強制猥褻罪や迷惑行為防止の条例違反で告発するのは難しい。
との事であった。

「けどよ…叩けば埃が出んだろ!マエだってあんじゃねぇか?」
いつになく真剣に睦美に食ってかかるマコ。

そんなマコを見つめながら唖然とする誠司。
誠司にとっては難しいと思える話も睦美と対等に掛け合うマコ。
そんなマコに尊敬すら覚えていた。
もっともマコがそこまでに取り調べ等に詳しいのは。
マコも昔はさんざ取り調べられる側にいた事を知るよしもない誠司だが。

とにかく睦美の方も出来る事をするから、被害者から届け出があったら直ぐに連絡が欲しい。
睦美はそう言い残すと戻って行った。


「銃刀法違反って重いんですかねぇ」
誠司が疲れた様にどっかり椅子に腰を下ろした。

「ん〜ん、ナイフだったら罰金が関の山でしょう」
マコは苦い顔で閉まったドアを見つめていた。

「被害届けかぁ…」
ポツリと呟く誠司。
誠司もマコも被害者の一人には心あたりはあったが。
お互いに言い出せずにいた。
だがいつまでも…こうしていてもラチが開かない。

「誠司さん…マドカちゃんの連絡先、教えてもらっていいっすか」
いつになくシリアスなマコだ。

「いや…それは僕の役目です」
静かに答える誠治。

「いやいや…女のアタシの方がマドカちゃんにもいいっしょ」
ここは譲れないと言った感じのマコ。

「しかし、マコさんにこれ以上迷惑はかけられません」
これは誠治の本音だった。

「誠治さんの為なら!全然オッケーっす!」
これはマコの本音、そして…。
「マドカちゃんも本当に男の人と話させる様な話じゃないしょ!」
これが一番の本音。
そして、ニカっと太陽の様にとはいかないが。
それでも誠治の為に笑うマコ。
が…。
“すまねぇ…マドカちゃん”
心の中で何度も、何度もマドカに詫びていた。


マドカの家の近くまでまで来たマコ。
待ち合わせは極普通の昔ながらの喫茶店だった。

「あっ!マコさん!」
先に来ていたマドカはマコを見つめると満面の笑みを浮かべた。

「い…いやぁ…げ…元気でいらっしゃいませ」
アタシに任せろ…そう言ったのもののやっぱりマコは、極度に緊張していた。
その為、言葉遣いは例によって例の如くだった。
しかも動きまで変だ
足と手が同時に出るなんとも妙な動きでマドカの座るテーブルに近づくと。
ギィィィィィ!!
派手な音を立てて椅子に座る。


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