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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ4-1

手口の研究のはずが…。

マコとナンシーがビーチのはずれでスッポンポンになった翌日。
徘徊の様なパトロールに勤しんでいた。
さすがに手ブラは封印しているが。
今日も二人とも水着姿であった。
しかし今のところ、その成果は上がっていない。
もっとも手ブラを解禁したところで結果は同じ事ではあったが。
それでも懲りずに彷徨い続けるマコとナンシーであった。

日中は凶暴過ぎる陽の光。
それも午後三時を廻ったあたりから幾分おとなしくなってきた。
スゴスゴと出店に戻ってくるマコとナンシー。
「おう!ご苦労だったな!マコ、ナンシー」
源さんが豪快に笑いかけてきた。
「おお…」
「ありやとうっス…」
幾分、最初の気迫が薄れかけているマコとナンシー。
正直これ以上、源さんに迷惑をかけるのも気の引ける話だったが。
「なんでぇ!なんでぇ!しけたツラしてんじゃねぇよ!不細工なおめえぇらは笑顔が命だろ!」
かなりの毒舌でハッパをかける源さん。
しかし。
「あぁぁ!!」
「な…なんでやんスか!」
みるみる、らしさを取り戻すマコとナンシー。
「その調子だよ!その調子で明日も頑張りやがれ!」
頑固だが底抜けに優しい祖父の様な顔で笑う源さん。
「じじい…」
「源さん…」
さすがにこれにはマコもナンシーも心を撃たれる。
が……。
「そぉ言やぁよ!昨日は素っ裸の女がビーチに出たらしいが…」
「い!」
「え!」
源さんの言葉を遮ってマコとナンシーの表情がみるみる曇りだす。
「おめぇらじゃ…ねぇだろうな!」
何か気づいた源さん。
ギロッ…ギロッ…と二人の目を覗き込む。
「な…なんの事だいですよ」
とマコ。
「そ…そうでガンす」
とナンシー。
明らかに二人とも挙動不振になっていた。

そして日も暮れて。
「マコさん!お待たせっす!」
ナンシーが両手に何かを抱えアパートに帰ってきた。
「おお!借りて来たか!」
子供もほどの大きさのミッキーのヌイグルミを抱いていたマコ。
ニッとした笑いをナンシー。
いやナンシーが両手に抱えている物に向ける。
「マコさん…そんなにガッつかなくても」
意地悪い視線をマコに向けるナンシー。
テーブルの前であぐらをかいて、ミッキーを抱きしめたマコが…。
「ガ…ガッついてねぇよ!」
言い返してはいるが。
極度に興奮状態が高まった時など…ミッキーのヌイグルミを抱きしめるのがマコの癖だった。
だからナンシーは。
「まぁまぁ慌てないで」
余裕をかましながら部屋内に上がるとテーブルの上に手にしていた物をガサッと置いた。
沢山のDVDであった。
近くに住む野郎の後輩から借りてきた物であった。
「いきやすよぉ」
もったいぶった笑みをマコに向けながら。
そのうちの一枚をレコーダーにセットするナンシー。
「お…おう」
素っ気ないフリを装うマコ。
だがミッキーを抱きしめる両手には今まで以上の力が入っていた。


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