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華麗なる奴隷秘密倶楽部
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華麗なる奴隷秘密倶楽部 第5章-2

「あはは、やはり分かっていたのですね」
「ええ・・」

私も麗子もお互いの顔を見て笑った。
麗子は、始めて合った私だが、少し気を許したようである、
最近の彼女は客達が自分の歌を聞かずに無視し、酒を飲み騒ぐことには慣れていた。
しかし、歌い手にとっては、野次られ無視されることほど悲しいことはない。
そんな時でも、明るく表情豊かに歌わなくてはならない。
麗子は、私のような客は余程嬉しかったのだろう。

「明日からの公演先は決まっているのですか?」
「あ・・いえ、今日があそこは最後で、次の歌える場所を探しています」
「では、お一人で?」
「ええ、マネージャーがいたのですが、
今は私一人でなんとか・・色々ありまして・・」

麗子はそう言うと眼を潤ませ感極まって嗚咽を始めた、
私は少し驚いて周りを気にしたくらいである。

「大変ですね、私がお力になりましょう、もし良ければですが」
「ええ?・・良いのですか?」
「勿論ですよ、私を嘘はつかない男ですから」
「そうですか、でもなぜこんな私に?」

その時、眼にうっすらと涙を溜めて顔を上げた、
私を見つめる麗子の顔は美しかった。

「それは私が貴女のファンだからかな・・」
「はい、有り難うございます、でもこんなわたしに・・」
今の麗子は、歌手としてではなく、私にとっては一人の女だった。

「よろしければ、話して下さい、色々とご苦労があるようだし」
「ええ、私は今まで、男性に裏切られてきました、でもまだ貴方を・・」
「あはは、そうですね、私はこういう者です」

そう言って私は麗子に私の名刺を差し出し、テーブルの上に置いた。
その名刺を見て驚き、彼女は私の眼を見つめ言った。
「あぁ、貴方があの作家さんで・・SMの・・」

「そうです、これはペンネームですがね、
あの同じSM作家の鬼村さんは私のS仲間です、ライバルですが、
彼のこともご存じでしょう?貴女なら・・」

「はい、知っています、そうですか、貴方が・・怪しんで申し訳ありません」
「いえ、私の小説を読んだことは?」
「はい、あります、好きです・・あの有名な小説、読みました」
「あはは、そうですか、私もね、貴女のことは分かるのですよ」
「えっ?何が、でしょう・・」
「貴女がM体質じゃないかということを・・何となくね」
「ええぇ、どうして?」

「私を誰だと思っているのかな、あはは・・まあいい、
それでさっきの話になるのですがね」
「あの、私のお力になっていただける、ということですか」
「そうです、貴女さえよければパトロンになつてもいいですよ」
「あの、パトロン・・ですか?」
「そうですよ、言い換えれば、貴女のご主人様ということかな・・」

私は意味深なことを言ったが、彼女はそれをどう理解したのか。
しかし、今の麗子を見ていれば
そんなことしか彼女の生きる道はないのが私は分かっていた。


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