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『武骨くんと鎖骨ちゃん』
【フェチ/マニア 官能小説】

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『ツンデレちゃんと硬派くん』-2

李湖は、部屋に戻って一休みしながら、何か心の中で違和感を覚えていた。
しかし…いまいち実体がつかめない。

…―なんだろう、なんか、何かが、違う気がする。

もちろんそれは、昨晩の洸太郎との間に起きた出来事に関係している。
と言うより、朝から李湖の頭の中は、それでいっぱいなのだ。

…昨晩の"アレ"は、なんだったんだろ。
まず、目が合って、キスして。
人が来たから隠れて、抱きしめられて、そのまま…
なんでそうなったのか…って、それは、雰囲気に流されて、だよね?
少なくとも、私はそう。
…ん?
じゃあ、小沢くんは??
…鎖骨好きで、勢いで私とシた、とか…?
…で、小沢くんは、実は軽い人だった、とか。
ん〜…なんかそれって、イメージと違う。
…これが違和感かなー?
…硬派だと思ってた小沢くんに、違和感を感じてる???

まったくスッキリしないまま、李湖はうとうとと、まどろみはじめた。


一方、洸太郎の方も、もやもやとした違和感を感じていた。
しかし、あまりの眠気に思考能力が覚束ない。

…―橋島、いや、李湖は、ツンデレ、だよなぁ?

とりあえず、李湖、と下の名で呼ぶようになったことだけはなんとか思い出し、そのまま眠りに引きずりこまれていった。


――正午。

李湖は、宿の前庭でキャッチボールをする仲間に、「お昼だよ!」と声をかけた。
30分ほど前にサナに起こされ、食堂で昼ごはんの支度を手伝っている。

しかし、庭から戻ってくる人数が、全員ではないようだ。
少し考えて、あ、そうか、とサナに聞く。

「まだ上で寝てる人いるんだよね?
私、起こしてくるね」

「にゃははは、○○先輩は寝起き悪いから頑張って〜」

サナの笑い声に見送られて、階を上がる。
自分たちの部屋は飛ばして、その隣。
二人寝ていたが、声をかけるとすぐに起きた。
ありがと、と言ったその二人の声が、昨晩洸太郎といる時にすれ違った、買い出し組のものだったので、李湖はひそかに顔を赤らめた。

その隣の部屋。
くだんの寝起きの悪い先輩が寝ていた。
イビキがひどかったが、寝返りを打ったすきに「お昼ごはんですよー」と声をかけたところ、あっさり目を覚ました。
どうやら先輩は、おなかがすいていたらしい。

そして一番奥の部屋。


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