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『武骨くんと鎖骨ちゃん』
【フェチ/マニア 官能小説】

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『ツンデレちゃんと硬派くん』-12

グラウンドの隅に、まだ新しいクラブハウスはひっそりと配置されていた。

洸太郎が鍵を開け、照明を点ける。
一度見回ってから、やはり当初の予定通り、男子更衣室を使うことにした。
ロッカーが壁際に並び、中央に背もたれの無いベンチが2つ。
奥の左右のドアは、トイレとシャワー室に繋がっている。

…ここに至って、李湖は明らかに昨晩とは違う"始まり"を感じていた。
昨晩はいつの間にかキスをして、いつの間にか"ソノ気"になっていた。
今夜は、意識的に動いて始めなくてはならない。
そのせいか、ものすごく緊張し、…ものすごく恥ずかしい。
さっき、明かりを点けたままにするだとか、見る・見られる、だとか…聞かなきゃ良かった、と今更後悔。
ドキドキして足が震えるので、ベンチにへたりこむようにして座ってしまう。


洸太郎だって、もちろん緊張していた。
しかしそれよりも、先程の李湖の質問に悩まされている。

…なんで李湖とシたいか、って?…それは…

でも、カレシがいるっぽいコ相手に、好きだからシたい、なんて重いコトは言えなかった。
口には出せないけれど、李湖が好きだから欲しくなる…


洸太郎が動き…ベンチの李湖にキス。
初めは、可愛らしいちゅっちゅっ、という音がしていたが、それはだんだんと舌が絡まり、唾液の行き交う激しいものに変わっていった。

「…っふ、んぅ…ぁむ…」

甘い吐息と共に、二人の心も、部屋の空気も、淫らに染まる。
昨晩の妖しい雰囲気は、あっさりと再構築された。
どうやって始めるのかなんて問題じゃない。
互いが互いを欲するだけで、こんなにも情欲の火が燃えあがる―…。


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