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やさぐれ娘は屋上で笑う
【学園物 恋愛小説】

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#02  研修旅行――初日-9

「なんだい?別にうそじゃないよ」

「うぉ?な、なんだ?読心術!?」

「ただの予測だ。言ったろ?周りに気を使っているんだよ」

「いや、逆!周りが気を使っているんだよっ!」

「そんなことはない。俺は相原さんのことだってよく覚えている。出席番号順だったから、毎年、初めの席は窓側の一番前。背も低かったから背の順で並んでも、一年の頃からずっと先頭。見た目もいまよりは少しふっくらとしていたかな?」

「うっわー、以外だわ。柚子ってその頃、ちっちゃかったの?」



そこで会話に林田が参戦してきた。

うん、話しに花が咲くこの感じが、本当の旅行だよな。



「ああ、少なくとも平均以下ではあった。渾名は『柚子マメ』……だったかな?あと幾つか、似たようなモノがあったよ」

「もしかして……柚子ってイジメられていたんですか?」



林田が友人の過去を聞き、すぅーっ、と目を細める。

確かに、このナチュラリー・委員長の林田にとっては聞き捨てならない内容だったのかもしれない。

その隣で相原がその大きくもどこか、か細い身体を強張らせたのがわかった。

もしかして……、と林田ならずも疑ってしまう。

けれど、岐島の続く台詞は私や林田の想定の範囲外の内容だった。



「――いいや。イジメられてなんかはいないよ、彼女はね。精々、友人たちにからかわれるくらいだ。イジメの対象になったのは……俺だよ」

「ッ!?」



再々々度、空気が固まった。

私は岐島を凝視し、林田はフリーズし、相原はその肩を小さく震わせている。



「だからだろうね。今年の初め、クラスで自己紹介をしたときに相原さんは俺を――小学生のときのクラスメイトだと気付いたにも関わらず、なんのアクションもとらなかったのは。自分たちがクラスぐるみでイジメていた相手だったから……」

「柚子……が?」



正義大好き人間、林田はその友人へと懐疑の視線を送った。もちろん、私には林田の後頭部しか見えず、わからなかったが、なんとなく察せられたのである。

それは相原の反応のためかもしれない。

相原は俯いていた。もう少し髪が長ければ、表情も隠せただろうに、頬を緊張させた顔が窺える。

そんな気まずい友達二人組みを一瞥するとなんと、岐島は続けやがった。




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