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ジャングルジム
【ボーイズ 恋愛小説】

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ジャングルジム-4

『きょーごが死ぬ』とか縁起でもねぇこと言って俺の側、離れなかった。
おまえはすげー気に入ってたゴレンジャーの人形持ってきて、『これあげるからきょーごの痛いの取って』とか医者に無茶なこと言ってたっけ。
あの時俺は、子供ながらに泉の為ならゴレンジャーになってやるとか本気で思ったりしたっけ。
おまえを泣かすもんから一生守ってやるって、そう思ったっけ。
結局はただの打撲だったのに。
馬鹿だねー、ガキっちゅうやつは。

「あんな事で一生の誓いを決めちまうんだもんなー…」
「え?」
「おまえはアホだよなーつったの」
「何だよそれーっ!!」

ちょっと怒った顔したと思ったら、すぐ笑う。
天真爛漫なサルだこと。

「なぁなぁっ!トンネル作ろーぜっ」
「あん?」
「砂場っ。行くぞっ」

ぐいぐい手を引っ張って砂場へ強制連行。
いくつになっても変わんねえなコイツだけは。

「…あのさぁ京吾。海じゃないんだからさ」
「だから?」
「おっぱい作んのやめろよ」
「いーじゃん別に。小石乗っけてハイ完成」
「……」
「っくあー!飽きたっ。自販で飲み物買うかっ」
「じゃーんけーん」
「ぽい」

泉はチョキで俺はグー。
必然的に俺の勝ち。

「ゔー。負けた…」
「おまえは毎回最初にチョキ出すよな。まっ、負けたんだからさっさと買ってこーい」

そう言って軽くデコピンしてやると、泉の頬に空気が入った。
おお、風船のよう。

「甘酒買ってきてやる。しかも冷たいやつ」
「サイコー…。俺ウーロン」
「ダメ甘酒」


ベンチに腰を下ろして目をつぶる。頂度、木陰になってて気持ちいい。うとうとし出した時、頬に冷たい物が押し当てられた。

「うらっ甘酒ッ」

そう言って泉が差し出したのはウーロン茶。
「サンキュ」

泉が隣に座る。
やっぱ、もう笑顔に戻ってる。

「…っはー!生き返るッ」
「じじむせー」
「うるせっ」

少しの間ボーっとする。
たまにはこういうのもいいかもなー…なんて、サボリの身で仕事疲れのおやじみたいな事を思った。

「ねー京吾」
「…なに」
「今日、始業式だって知ってた?」
「あ゙ー…あと新しい先公来るんだっけ」
「美人だといーなっ」
「美人でも、男は死んでも嫌だな」
「そりゃそうだ」
「泉」
「うん?」
「肩、貸せ」
「うん」

俺より低い泉の肩に、頭をもたれてまた目をつぶる。
そういえば、意味分かんねぇ夢見たな。
泉が出てきた。
泉のくせに腕なんか組んでた。
似合わねえ。
しかし変な夢だった。
あの空気嫌だ、なんか。
あれじゃあ、まるで……‥――




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