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ジャングルジム
【ボーイズ 恋愛小説】

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ジャングルジム-2

「わ、軽く最悪。てゆーか京吾、朝弱すぎのテンション低すぎ」
「朝からテンション高くてたまるか」
「ねー京吾」
「なに」
「遊びに行こ」
「何その日曜日的発言は」
「いーじゃん行こ。もう学校行く気無くした」
「おまえ制服じゃん…じゃあ外で待ってろ」
「なんで外」
「男子の朝は色々あんの。さぁ行け」
「うぃ」

あ、と言って泉が振り返る。

「春だからって、上裸で寝んな。服着ろ。へそ取られんぞ」
「おー。持ってけ泥棒」
「ピアスごと持ってかれるかんな!早く来いよ!」

はいはいと言う間もなく泉は階段を駆け降りて外に出てった。

俺は忙しくも、トイレ行って顔洗って歯磨いてパン口に入れて服来て泉が待つ玄関に急いだ。

は、あ…っ。
急ぎすぎて、息が切れた。
口ん中が渇く。

「待った?」
「ううん全然。今来たとこ」
「寒い会話はさておき行くぞ」
「どーこーにー」
「知るかそんなの」

行く宛がよく分からないまま歩きだしたけど、泉は後ろからおとなしく付いてきた。

「髪下りてる京吾久しぶりに見た」
「あーそう」
「機嫌悪い京吾も久しぶりに見た」
「夢見悪くてね」
「久しぶりついでにあそこ行こう」
「あーあそこね」
「分かった?」
「分からいでか」

あそこってのは近所の公園のこと。ガキの頃泉とよく遊んだ。
親に『あそこで遊んでくる』つったら通じてた程よく行ってた。
別に何て事のない、有り触れた感じの公園。
砂場があって、鉄棒があって、滑り台があってジャングルジムがある。あとついでにベンチが二つ。


「っはー!懐かしいなぁ。最近遊んでない」
「16を迎えた男二人が、日々ここで遊んでたら怖いものがあるだろ」

公園には全く人がいなかった。
公園デビューを飾る奥様も見当たらない。

「俺ねー、京吾がさ、ブランコから宙返りで着地とかしてたじゃん?それ見てさ、なんか京吾を戦隊モノのヒーローみたく思ってた。ほら、赤レンジャー!みたいな」
「俺は、鉄棒を高速でぐるぐる回るおまえを怪物みたく思ってた」
「……」
「ジュワッチ」
「それキャラ違う」

ガキの頃すごくでかく感じた遊具は、今見るとものすごく小さく思えた。


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