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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-V-7

「…………本来、悪魔封じは魔力を術者の体内に取り込み浄化し、本体の魔力を鎮める。それは間違っていなかったけど、取り込み、浄化するはずの魔力が逆流し、母親の心を侵した」



「……失敗すると解かっててやったのか……守ろうとして……」





 人間の中に異質な魔力を取り込むのは、どれだけ苦痛なのか想像しきれない。





「一週間前に私がやったあれも悪魔封じです。成功しましたが、結構危険なんですよ。成功例は少ない。あの水が無かったら、今頃まだベッドの中です」



「あの水、聖水だったよな?」





 あのボトルの中はそうだったはずだ。リアナは意外そうな顔でオレを見るとニコリと笑った。





「はい。気付いてたんですね。高精度のもので、本国じゃ手に入らないんですよ」



「じゃあ、誰が?」



「この国の巫女さんで私の友達です。あの水、彼女が触れただけで作れるんですよ」





 聖水を触れただけで、だと?



 通常、聖水は七晩月光を浴び、巫女の祈りの下、三晩聖堂にて浄(きよ)められた水を言う。つまり最短で10日掛かるそれを触れただけで作り出すなんて…………どんなヤツだよ。





「まあ、それは良いとして。話を戻しましょうか。…………精神を侵されたとは言え、完全に壊れた訳ではなく……バランスが崩れただけ。リーちゃんにとってはそうなってからの方が地獄だったのでしょうね……」





 細かに説明してくれるのは良いけど、何でそんなこと知ってるんだ。そんな疑問も僅かに顔を出した。




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