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ホテルノヒカリ
【OL/お姉さん 官能小説】

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ホテルノヒカリ3-2

「あぁぁぁぁぁぁ!」
ニャンコめ!ニャンコの奴めぇ!
植え込みの陰では私のパンツを曳いたニャンコが寝そべっていた。
「おのれ!貴様だったのかぁ!」
私が手を出すと…。
フニャ!
ニャンコが私のパンツを一枚食えて飛び出して来た。
私のパンツはお魚かぁ!
「待て!こら!」
私は突然の事に我を忘れてニャンコを追ってしまった。
居間に飛び込むニャンコ。
私ももう引けない!ニャンコを追って居間に入った。
「森野さん…」
士郎さんもニャンコを追う様に居間に上がって来てくれた。
かたじけねぇ!士郎さん…絶対に捕まえやすぜ!
けど…
ガツ!
「あイタ!」
私はちゃぶ台にけっつまづいてしまった。
ドカッ!
前のめりに派手に転ぶ私。
ニャンコはパンツを口から放すとまた庭へ…。
ただ…お尻がスースーする。
振り返るとスカートがまくれ上がりお尻が丸出しに…。
士郎さんの目が点になってる!
紐だけパンツ見られた!
慌てて視線を逸らす士郎さん。
と…まさかの駄目押し。
ヒラヒラと二枚の半紙が落ちて来た。
書かれてる文字は『整理整頓』『手洗い〜』の二つ。
うわぁぁぁ!士郎さんの視線の先には人には言えない私の誓いが…。
「す…すいません!か…帰りますね!」
士郎さん…慌てて帰っちゃった。
やばぁぁぁぁぁぁい!!どうしよう!?

魂の抜け殻となった私はちゃぶ台の前に座り込んでいた。
頭の中が真っ白で何にも考えられない。
ゴロゴロする気になんなよ。
漫画を読む気にもなんないよ。
お煎餅を食べる気にもなんないよ。
私はどうして…いつもこうなんだろ。
なんか涙が出て来た。
駄目だ…一回泣いたら止まんない。
私はヒックヒック…泣き続けた。
まっ…いっかって気分になれないまま泣き続けて、気がついたら朝になってた。

四、五日が経った。
私は依然あの時の事を引きずったまんま。
交番の前も恥ずかしくて…怖くて通れなくなっちゃったよ。
仕事の合間も…仕事中ですら浮かんでくるのは士郎さんの顔ばっか。
その士郎さんは優しく微笑んでるのに…。
本物の士郎さんは私の事、軽蔑してんだろうなぁ。
士郎さん…逢いたいよう。

「森野くん!なんだこの書類は!」
「す…すいません…」
今日も上司に怒られっぱなしで一日が終わった。
ちっくしょうめぇ…って気分にならないよ。
てか上司の言葉自体頭に入ってこないよう。

そんなグダグダのまま会社から出た時だった。
「森野さん!」
私は呼び止められ…声のする方を見た。
「し…士郎さん!?」
なんでこんなトコに…てか恥ずかしくて顔を合わせらんないよ。
「こ…こ…こんばんは…」
私はそれだけ言うと士郎さんの横をすり抜け様とした。
「あぁぁ…待って!」
士郎さんが私の腕を掴んだ。
「えっ!?」
振り返り仰ぎ見る私。
士郎さんはいつも様な眩しい笑顔で笑ってた。
「あ…ごめんなさい…」
はにかみながら慌てて私の腕を放す士郎さん。
「よかった元気そうで…交番の前、通んないから心配してたんですよ。
家もいつも留守だったし…」
士郎さん?心配してくれてるの?
「……」
私は半べそになって士郎さんを見上げた。


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