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〈蠢く瞳〉
【鬼畜 官能小説】

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〈蠢く瞳・其の三〉-1

『ちょっと、やる気ないなら合宿から抜ければ?』


練習が終え、更衣室にいた有海に一人の部員が詰め寄り、語気を強めて叫んでいた。
他の部員達は呆気にとられた顔をしていたが、直ぐに平静さを取り戻し、冷めた目で有海を見ていた。


有海「は?ちゃんと教えてるでしょ?何よソレ」


『こっちから見るとダラけて見えんのよ!』


騒ぎというよりは喧嘩に近く、その叫び声は更衣室の外にまで聞こえていた。

有海は夏帆の事には気持ちの整理は付けたつもりだった。
選手に選ばれた一年生に、一生懸命に教え、親身にアドバイスをしていたつもりだった。
だが、それに対して部員達は噛み付いてきた。
それも、ほぼ全員がだ。


『ダラ〜ってボール打ってさ、あれじゃ練習になんないでしょ!』

有海「あのね、私の教え方に……」

『あんなんじゃ大会で勝てないでしょ!!』


有海の言い分には耳も貸さず、一方的に叫ぶ部員達。その言葉の殆どは、単なる言い掛かりだった。


『……井川と付き合ってんでしょ?いくら彼女だからって、そんなの持ち込まれたらコッチが迷惑よ!!』

有海「………何言ってんの…?」


部員の言葉は出まかせだったが、まさに図星だった。部室でのキスシーンを誰かが見たのかと、少し動揺をみせてしまった。


『え〜、棚瀬先輩って“そう”なんだ』

『美人同士でお似合いよねえ』


後輩達までも有海に噛み付き、馬鹿にした言葉を吐きつけた。
有海もまた、他の部員達からは嫉まれていたのだ。
夏帆が入部するまでは、有海がテニス部のアイドルであったし、男子生徒の憧れの的だった。
酷いイジメが無かったのは、有海がテニスプレイヤーとして秀でていたからだ。だが、もう三年生に大会の機会はない。
有海の実力は、他の部員達には関係ない事になってしまった。
夏帆の陰口を叩く事で仲良くなっていた部員達の矛先は、夏帆と親しい有海へと向けられていた。
目障りな存在の美少女……夏帆は消え、残るのは有海のみ。


『井川の所に行って、イチャイチャしてたら?今は夏休みなんだしさ』

有海「〜〜ッ!!!!」


あまりに酷い言葉に、有海は何も持たずに更衣室を飛び出していった……目に涙をいっぱいに溜め、ロビーを駆け抜けた。



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