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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-38

 一人暮らしの女の部屋としては簡素なほう。
 仕送りはあるものの、無駄遣いをするタイプではなく、小物などは何もない。
 カーテンは女の部屋であることをカモフラージュするために青。大きめのベッドは折りたたみのできるもので、下には冬物を整頓している。
 コタツを前にどっかりと座る夏雄に、一応はクッションを渡す。
 白いドーナツがたのそれは低反発の素材で、意外と心地が良い。
 窓際にはバイトの制服がかけられており、メイド服のヒラヒラしたつくりが浮いている。
「はい、シップ」
「お、ありがと」
 夏雄はシップを受け取ると、遠慮なしにシャツを脱ぐ。
 やや肥満そうな身体だが、腹筋はしっかりと割れており、胸筋もなかなかのもの。肥満というよりは、がっしりしているタイプだろう。
 対して武彦は、以前プールに行ったときに見たけれど、アバラが見える貧弱なもの。色も白いほうで、男としてはやや貧弱だった。
 ――でも、武彦だって勇気はあるもん。
 そう自分に言い訳をしていると、夏雄がその視線に気付いたのか、顔を上げる。
「なに? 俺の身体、変かな?」
「いえ、その、結構がっしりしてますね」
「まあな。これでも高校のときはラグビーしてたしな。まあ、靭帯やってからはやめたけど」
「へえ、そうなんですか……」
「へへ、惚れた?」
「……もう、懲りない先輩ですね。また武彦が怒りますよ?」
「はは、そうだったそうだった……」
 夏雄はへらへら笑いながらシップを貼るも、服を着ようとしない。またも顔をしかめ、しきりに背中を気にしだす。
「どうかしましたか?」
「うん、背中もちょい痛いんだけど、身体堅いから届かないんだ。手伝ってくれる?」
「しょうがないですね……」
 さつきはもう一枚シップを取り出すと、夏雄の背中に触れる。
 大きくて健康的に日焼けしているそれは、子供の頃に見た父親の背中に似ている。
 触れてみると、手のひらにその温かさが伝わる。初めて触る父親以外の肌。意外にさらさらしており、シミ一つない背中は夏雄のイメージに似つかわしくないが、贅肉の無いこととあわせ、男性アイドルの半裸を想像してしまう。
「先輩、かなりたくましいですね」
「そりゃ体育会系だし、これぐらい普通だよ」
 思わず呟いてしまうも、夏雄はからかう様子なく自然に答える。肩透かしをくらったような気がするが、それが普通の先輩後輩の会話だろうと飲み込む。
「えっと、そこ、そう、そこに貼って欲しい」
「はいはいっと……」
 言われるままにシップを貼ると、夏雄はシャツを直し始める。
 ようやく完了といったところだが、夏雄は帰るそぶりを見せない。
 さつきとしては遅い時間でもあることから、そうそうにお暇してもらいたいのだが、それを口にするのはなぜかはばかられた。
「もう痛くないですか?」
「そんなにすぐには効かないって」
 半笑いの夏雄にその通りだと赤面する。やはり早く帰って欲しい気持ちが外に出てしまい、場の空気がもやもやする。
「お茶淹れますね」
 その空間を抜け出すために、さつきは台所へ行き、二リットルのペットボトルとコップを持ってくる。
「お待たせっと……、あ、何してるんですか!」
 部屋に戻ると夏雄が例のヒラヒラした制服を前に、感慨深そうに見つめていた。
「ちょっと、やめてくださいよ。セクハラですよ!」
「でも、これきて仕事してるんでしょ? いいじゃん見るくらい」
「そうですけど……」
 簡単に言うと、生理的にうけつけない。確かに仕事場ではそれに身を包んでおり、たまに変な視線を感じることもある。おそらく夏雄もそういう視線でみているだろう。
 たとえ自分が見られているわけでなくとも、制服が汚されていくような、そんな印象があった。
 さつきは制服を手に取ると、背中に隠す。


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