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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉
【レイプ 官能小説】

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枯れ落ちる葉、朱に染まる紅葉-20

**――**

 目的地である鬼瓦スポーツセンターについたのは早朝六時十五分。
 数年前に立てられた複合スポーツ施設であるそれは、周囲の自然から浮いたコンクリートの建物だ。周辺にはテニスコートがあり、陸上競技用のトラックもある。
 駐車場の向こう側には点々とバンガローがあるが、車はサークルの三台と、職員のものと思しきものが一台ある程度。あまり流行っていないらしい。
 バンガローの前では管理人らしき人が顔をタオルで拭きながら、駐車場へと誘導してくれる。
 武彦が車を止めると、それを合図に背後からもあくびが聞こえ始める。
「ご苦労さん」
 助手席にいた克也は目じりを指先でこすった後、眠気覚ましのガムを差し出してくる。
「ありがとうございます」
 出来れば午前四時を回ったころに出してくれたら良かったのにと思いつつ、武彦は銀紙を空ける。
 ハッカのすうっとした感覚と、朝の涼しい風が口腔内を冷やし、一瞬ばかりしゃきっとさせる。

 バンガローに来た部員達は、まず管理人に挨拶を済ませ、各部屋の鍵を借りる。
 その後、簡単に施設の説明を受け、朝食の準備に取り掛かる。
 運転で午前様な武彦と和彦は仮眠を取る予定となっており、午前中の進行をさつきと同じ二年の来生智之に任せ、バンガローへと向かう。
「それじゃ、ちょっと休んでくるな」
「うん、お疲れ様。後は任せてね」
 寝起きのわりにテンションの高いさつきは胸をとんと手で叩き、二人を追いたてるように背中を押す。
 智之はまだ眠いのか、あくびをしつつ、プログラム片手に調理場へと歩いていった。
 東の空の青々とした空と、西に見えるうっそうとした雲に、期待半分といったところで名実共に合宿が始まったわけだ……。

**――**

 目が覚めたのは十一時を過ぎた頃。予定では昼食時に起きる予定だったが、外に響く雨垂れの音に、これ以上まどろんでいることが出来そうにない。
 西の空の暗雲は予想以上に足が速かったらしく、屋根を叩く音は弱くなる気配が無い。
 朝食後の予定は周辺を散歩したあと、飯盒炊飯、後オリエンテーリングだが、この雨の中、山道を歩くのは酷なこと。雨天の場合は体育館を借りるしかない。
 バドミントンかバレー、バスケあたりをしているのだろうとうと、武彦はまだ寝たりない気分をねじ伏せ、バンガローを出た。

 体育館へ行くと、案の定部員達がいた。どこから見つけたのか黄色と赤のゼッケンを着け、バスケットボールに興じていた。
 コートの真ん中では智之が居り、武彦に気付くと手招きをする。
「眠れたかい?」
「ああ、まだ少し眠いけどな。さつきは?」
「真柴さんは昼食の準備に行ったよ。いろいろ予定がくるったからね」
「ふうん。じゃあ俺も手伝いに行ったほうがいいかな?」
 武彦がそう言うと、智之はくすくすと笑い出す。
「なんだよ。何かおかしいか?」
「手伝いに行きたいんだろ? わかってるから行ってきなよ」
「別に、いいだろ……」
 智之にまでからかわれる始末になり、武彦としては面白くない。だが、彼が気を遣ってくれるというのならそれに甘えたい。せっかくの小旅行、さつきと一緒に過ごしたいのが本音なのだ……。


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