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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -離別-(side;lee)T-1

 目を覚ましたら、知らない天井だった。

 傍にある窓からは明るい光が射していて、真昼間だってことは解かった。



 取りあえず起きてみたけど、やっぱり知らない部屋。クリーム色の壁におれが寝てるベッド、その傍にソファとテーブル。壁際には小さなチェストしかない。



 何処だろう? 前に入院した病院は何か薬臭かったし、アークの部屋はもっと小汚い。…………言ったら怒られるから言わないけど。





「えーと…」





 勝手に動いたら怒られるかな? とか、一体何がどうなったのかな? とか、思ってたら、部屋の扉がノックと同時に開いた。





「あ、目、覚めたみたいだね。リーちゃん」





 ニコニコ笑ってそう言って部屋に入ってきたのは銀色の髪のリアナ。左目を隠してるのは何でか解からないけど、重々しいそれとは裏腹にリアナは凄く優しい……と思う。



 リアナはおれの傍に来ると、ベッドの端に軽く座るとにっこり笑って見せた。





「何があったか、覚えてる?」



「………………あ……」





 気を失う直前のことで覚えてるのは痛みと苦しさ。そして、知られたくないって思った。でも……。





「思い出したかな。……アークさんにはリーちゃんがヴァンパイアと人の間に生まれた子だって話しておいたよ。眼も牙もあの時見られてるから、隠せないことくらい解かるでしょう?」



「………………」





 そう言いながらにこにこ笑ってるリアナは最初会った時と同じだ。変わらない。それどころか、優しく頭を撫でてくれた。




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