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教師の情事
【教師 官能小説】

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教師の情事(5) -1

佐和子は陸上部の練習に対して声を上げながらトラックを走る部員に指導していた。
「ほら!足を上げて走る!」
萩原の脅しを撥ね退けた佐和子だったが、まだ不安が残っていた。
あの萩原があっさり手を引くとは思えない。自分はどうなってもいい。
その覚悟は出来ている。心配なのは正之に何かするのではないかという事だった。
トラックの中央のサッカー場では正之が上級生とのミニゲームをしており、
先輩からのドリプルとシュートから必死にゴールを守っていた。
日曜日にあたるあさっては強豪校との試合がある。
正之はスターティングメンバーではないがサブとしての出場する事になっている。
(信二が正之に何かしなければいいのだけれど・・・。)
そう思っていたら陸上部の部員の順子が佐和子に話しかけてきた。
「篠原先生、あの・・・。」
「どうしたの、岡崎さん。」
「明日でもいいので相談したい事があるのですが。」
「いいわよ。」
正之はプレー中でも佐和子と順子が話しているのをちらちらと見ていた。
(岡崎の奴、佐和子に何を話してんだよ。)
あの日曜日に映画を観に行った時に自らの美乳を触らせたりと順子の行動は
正之にとっては不安、というより恐怖以外の何物でもなかった。
その行動は異常以外の何物でもなかったと思っていたからだ。
だから佐和子に話しかける順子の行動もまた気になって仕方なかった。

翌日相談室に佐和子と順子が入る。お互い向き合って椅子に座る。
「で、今日はどうしたの?何か最近成績もあまり上がってないし陸上部の練習も
心ここにあらずになっているわよ。」
まさか順子も管理教育でこうなったのか・・・。佐和子は一瞬そう思ったが
順子の開口一番の言葉に拍子抜けをしてしまった。
「先生は恋愛についてどう思いますか?大好きな男子がなかなか振り向いてくれない事について。」
「えっ?いや・・・うーん。どうって言われても・・・。」
「だってその男子はいつも心がここにあらずで別な事を考えているようだし。
しかもその男は恋人がいないんですよ。」
佐和子は順子の言う男が正之だと一目でわかった。
まさかその男の恋人が実は自分だなんて言えるわけがない。
「うーん。もう少しその人に積極的になってみたら?多分振り向いてくれるわ。」
正直自分が別れればいいだけの話だが、そうなると正之の教師不信がまた再発してしまう。
それは出来ないのだ。出来れば順子が自分の代わりになってくれればいいのだが
正之にはその考えは微塵もない。
「その男子に実はひそかに恋人がいたとしたら・・・先生ならどう思われます?」
佐和子は一瞬ドキッとした。まさか順子は自分と正之の関係に気が付いているのだろうか?
「うーん。その人よりあなたになびいてくれるようにしたらどうかな?」
「なびいてくれるようにですか。」
「誰か好きな人がいるの?」
「いや・・・そういうわけではないのですが。」
「なら何でそういう相談してくるの?隠さなくてもいいわよ。」
そう言うと順子は黙り込んでしまった。
「ふう・・・わかったわ。でもその人はきっとあなたと結ばれると思うわ。
でも決して校則とかに違反しない程度に付き合ってね。」
順子が相談室から出ると机に膝をついて頭を抱えてしまった。
(全ては私のせいだわ・・・。)
確かに正之の教師不信に気がついて正之の心を開こうとしたのもあったが、
それと同時に若い男とセックスをしたかったという事もあった。またその若い男が
童貞でしかも自分が受け持っている生徒だという背徳の興奮を味わいたかったのもあった。
思えばあの夏に正之と寝なければ・・・でももう遅い。全ては自分の過ちからきたものだった。
さらに悪いことに自分は正之を愛し始めている。もう後戻りは出来ない。首にかけられた
星形のネックレスが無邪気に揺れていた。


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