投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

可愛い犯罪者
【性転換/フタナリ 官能小説】

可愛い犯罪者の最初へ 可愛い犯罪者 5 可愛い犯罪者 7 可愛い犯罪者の最後へ

可愛い犯罪者‐旅立ち‐-2

「はい…お土産…買ってきますね。」香菜ちゃんがつぶらな瞳をキラキラと輝かせたの。
ホントに素直だし素敵な美少女だよぉ。
「そんな気を使わないでね。」あたし…香菜ちゃんの頭を撫でながら言うの。
「気なんか使ってないです…私が買いたいんです。」
「あ…ありがとう…」あたし…胸が詰まっちゃってそう言うのがやっとだったの。

結局…言えないまま…香菜ちゃんは修学旅行に出発して、あたしも運命の日まで後3日になっちゃったの。
もぅ…会えないんだぁ。
あたしは部屋の中を片付けながらボンヤリと窓の外を眺めたの。
部屋の中にある物…ベット…テーブル…クッション…制服。
総ての物に香菜ちゃんとの想い出が詰まっていたの。
時間にしたら僅かな期間だったけど。
キラキラと輝いて大切な日々だったの。
手紙…書こ…。
あたし…悲しくて…淋しくて…。
あたし…色々考えたけど…これしかなくて…香菜ちゃんに向けて手紙を書く事したの。
あたしの身体の秘密がお母さんにバレた事。
手術をして普通の身体になる事。
引っ越しと転校をしなければいけない事。
そして…最初はただの“好き”だったのが真剣な愛に変わった事を。
ホントに大切に思うからこそ…サヨナラをする事を選んだ事を。
ホントに大好きなのに…
ホントに大好きなのに…
もぅ…涙で何にも見えないよ…。
香菜ちゃん…あたしの大切な人…いつまでも大好きだよ…でもサヨナラ。


月日は流れて…
今日は卒業式。
一緒に写真を撮ろうと騒ぐ男子達やこの後の予定を聞いてくる女子達を愛想笑いでかわすとあたし…ぼんやりと校門に向かったの。
泣いてる子もいるし…みんな寂しいけど嬉しそう。
あたし…あの日からあんまり笑えなくなっちゃったんだぁ。
あたしも学校生活はそれなり楽しかったけど…。

校門は別れを惜しむ生徒で溢れかえっていたの。
あたし…その人達を縫う様に校門を出たの。
「お姉ちゃん!」
えっ!花束を抱いた香菜ちゃんが…。
香菜ちゃんが…。
「お姉ちゃん!」
「香菜ちゃん!」あたし…泣きながら中学校の制服を着た香菜を抱き締めたの。お姉ちゃん…。
香菜ちゃん…。
もう…放さないよ。


可愛い犯罪者の最初へ 可愛い犯罪者 5 可愛い犯罪者 7 可愛い犯罪者の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前