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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -来臨-U-4

「いい。構わなくて結構だ」



「そう、ですか」





 その意を汲んだ上で、コイツは尚も冷静に『問題ない』と言いやがる。相棒の心配すらしないのか? 本国の連中は。





「すぐに来る。それとも…………話をするのも二人でなければならないと?」



「いえ」





 コイツ、何か……





「1ヶ月前のヴァンパイアの件、事細かに説明してもらおう」



「…………、それが人にモノを頼む態度か? しかも、初対面で名乗りもしねぇとは。本国の御エライさんはた大層傲慢なようで」





 あまりにもエラソーじゃねぇか? 謙れとは言わないけど、もう少し話し方ってモンがあんだろうがよ?



 が、オレの言葉に腹立てるでもなく、顔色一つ変えずにオレを冷静に見返してくる。





「文句なら後で聞こう。それに俺は頼んでるんじゃない。アーク・カルタニア、お前の責務を果たせと言っているだけだ。エクソシストは悪魔を祓うだけではなく、その結果とその時の状況を明確に報告することが義務付けられている。本国に寄せられた報告では正確な判断が下せない、だから、俺はここに使わされたんだ。…………解かるな?」





 コイツ、何言ってやがるんだ? 判断、だと?





「ちょっと待て。『判断』って何だ? どういうコトだ?」



「聞いていないのか……?」





 金髪は視線をオレから爺さんの方へ向ける。爺さんに至っては話をする気もないらしく、閉口し、黙ったままだ。途端に金髪は小さく息を吐いた。


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