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中野望のセイタイ実験
【コメディ 官能小説】

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中野望のセイタイ実験-5

「ふざけんな! か、仮に何かするとしても、てめーに丸聞こえじゃねーか!」
『それはすまなかった。そうしたら、マイクとスピーカーのスイッチを切っておく』
「は」
『………』
淡々と望は言い、本当にスイッチを切ってしまったのか、それから祐樹が何を言っても応えなくなってしまった。

「クソ、マジかよ……!」
再び、ふざけんな、と吐き捨て机を叩く祐樹の前に、不自然なティッシュ箱が目に入った。
「?」
ティッシュ箱の影にももうひとつ別の箱が置かれているのに気付き、彼は手を伸ばす。
そして隠れた箱の正体に気付き、絶句した。
(マ、マジで望は俺たちにセックスしろっつーのかよ……!)
腐れ縁の幼馴染と? 冗談だろ!?
しかし彼の股間はもう限界だ。おまけに幼馴染の顔が、妙に色っぽく見える。
「あ、藍子」
微かに上ずった声で、祐樹が言った。
「ヤるか」
「なっ」
当然ながら、藍子は言葉を詰まらせる。
「ほ、ほら。お互いアレだし……ひとりでヤるよか、いいじゃん?」
「……最低」
赤い頬を手のひらで抑えながら、眉を顰めて言う藍子。
自分を睨んでいる筈なのに、その上目づかいに思わずぞくりとする。
祐樹は喉の渇きを感じながら言った。
「だったら、無理やりにでも犯すぞ」
「そんな度胸、ないくせに」
藍子は俯き、そう言って切り捨てる。しかしその視界が一瞬暗くなったのを彼女は感じた。
顔を上げれば、迫る祐樹の顔。
「ちょっと……やだ、止めてよ」
僅かに首を横に振る藍子。
「冗談でしょ……!?」
藍子の細い手首を掴む、祐樹の大きな手。不覚にもどきりとする。
祐樹は空いた方の手で、藍子の頬に触れた。
「いやっ……あっ」
「俺、もーダメ。マジで限界」
言って、己の唇を彼女のそれへと近付ける。
「あ、あたし」
慌てたように藍子がそれを制止した。
「あたし……初めて、だから、その……」
「へ」
真っ赤な顔で俯き、言葉を濁す藍子。
祐樹は目を瞬かせ、思わず間の抜けた声を上げてしまった。
「も、元カレは? まさか、マジで」
彼は望の部屋で言ったことを思い出す。

『あ、だからこの前彼氏にフラれたんだっけ、ヤラせてやらねーから」』

何てことを言ってしまったのだと青ざめる祐樹に、藍子は慌てて言った。
「べ、別に、それが原因だったわけじゃないけど! 何も、なかった……」
そう言って黙りこくる藍子。祐樹も何と声をかけたらよいか分からず、彼女を見つめたまま沈黙する。
「………」
「………」
しかし一旦は熱が収まったもののやはり薬が効いているのか、祐樹は再び股間が疼き出すのを感じた。それを誤魔化すように、彼は立ち上がって口を開く。


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