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鳴神家物語(秋の場合)〜異説勇者物語!〜
【ファンタジー その他小説】

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鳴神家物語(秋の場合)〜異説勇者物語!〜-5

第3章 大団円?

あれから3日、俺たち勇者一行はついに魔王城へとたどり着いていた。
途中何度か魔王の手下の魔物に襲われはしたが、勇者パーティー3人の前にかわいそうなぐらいコテンパンにやられていた。
旅の資金も街の人からの謝礼やら寄付やらで十分すぎるほどった。

「いやぁ、やっと着きましたね魔王城!」
観光にでも来たかのように冬哉が言った。
この3日で気づいたのだがこの3人、この冒険を旅行とかピクニックみたいに楽しんでいる。
魔物に襲われることもちょうどいい暇つぶしくらいにしか思っていないようだ。
一方俺は・・・ホントに世界が救えるのだろうか、という疑問はなるべく持たないようにしている。
そして
「うぅ〜、怖いけどはやく終わらせちゃいましょう!」
というお化け屋敷に入る人みたいな口ぶりの春人にうながされ俺たちは魔王城へ突入した。


魔王城は思ったよりも明るく豪華な造りで、たいした仕掛けもなかった。
もちろん敵は出るのだが、そこはもう語るに及ばないだろう。
そうこうするうち俺たちはあっという間に魔王の間へ到着した。
「い、いくぞ!」
そう言って扉を開けると、そこには・・・。
お約束ともいうべきいかにも魔王!といった感じの魔物がいかにも悪役が座るような玉座に腰かけていた。
こいつが全ての元凶。こいつを倒せばこの世界も平和になるし、俺も現実に帰れる!
俺が戦闘の態勢に入ろうとしたとき、魔王が声を上げる!!!



「つ、つつついに来たか。我のぐ、ぐ軍勢をここまで蹴散らすとは・・・なななんとも恐ろしい者どもよ。」
ん??つつついに??
「だ、だがそそそそれもここまでだ!」
おいおいちょっと待て、この魔王全く威厳がないぞ。
いやむしろビビってる。
魔王ってのは恐ろしく強いものだろう?
これは一体・・・・
「あ〜、もう!あんたごちゃごちゃうるさいのよ!」
「まったくですな。」
「怖いけど、その通り!」
えっ?何ですって??
「わ、我はままま負けぬ!!き、貴様らの好きにはさせんぞ!!」
一体どうしたんだ魔王?!そして3人!!
「春人、冬哉。やるわよ!」
「「おー!」」



(3分後)



こ、これはどういうことなんだ。
何で魔王が某戦隊ヒーローの悪役よろしく、よってたかられやられているんだ?
あ、切られてる。
あ、燃やされてる・・・・・・



(10分後)


あっっけない!!
どうして最後のボスがこんなにもあっけなく倒せてしまうんだ?!
決着がついたのにもかかわらずまったく状況が飲み込めない俺は息も絶え絶えの魔王に近づいた。
そして魔王がが発した言葉に凍りついた。


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