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鳴神家物語(秋の場合)〜異説勇者物語!〜
【ファンタジー その他小説】

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鳴神家物語(秋の場合)〜異説勇者物語!〜-1

第1章 勇者誕生!!

ジリリリリリ・・・・・
ちょっと古風な目覚まし時計のベルが鳴る。
時刻は7時20分。
「うっさいなぁ〜。あと5分・・・」
・・・・・・
・・・・・
・・・・
んっ?・・・・・・7時45分・・・・・
・・・・ガバッ!!
「あぁぁぁ!!ま、まずい!遅刻だぁ〜!」
急いで制服を着てドタドタ階段を下りると母さんが朝食の後片付けをしているところだった。
「母さん!何で起こしてくれなかったんだよ?!」
「あらぁ?あんたまだ学校行ってなかったの?高校2年にもなって自分で起きれないなんて情けないわよー?」
「うっ・・・・それは・・・。」
正直それを言われると弱い。昨日も新発売のゲームを夜中までやり込んじゃったからなぁ。





「どうせゲームでもやってたんでしょ?」
ギクッ。
「ち、違うよ!今日授業の予習をしてたんだって。」
全然当たってるし・・・・。
「ふ〜ん。まぁ、それはともかく秋(しゅう)、あんた学校は?」
「・・・・あぁぁぁ!」


俺の名前は「鳴神 秋(なるかみ しゅう)」17歳の高校2年生だ。秋に生まれたから秋なんて名前を付けるようなちょっと抜けてる、そして大分変わってる両親さらに姉と弟の5人で暮らしている。
容姿は自分で言うのもなんだけど上の部類に入るだろう。下足入れにラブレターなんてベタなパターンも珍しくはない。ただ成績は・・・ほら、高2は中だるみの時期って言うし。ついでに言うなら遅刻の常習犯。
そんな俺の3日連続の遅刻はこうして決定した。



キーンコーンカーンコーン・・・・・キーンコーンカーンコーン。
今時珍しい定番のチャイムが鳴り授業が終わった。
「う〜ん、今日も1日よくやったなぁ。」
全ての授業が終わりあとは帰るだけになってイスにもたれかかっているところに、声をかけられた。
「よぉ、秋。これからハンバーガーでも食いに行こうぜ。」
声の主は沼田 信也。中学校からの付き合いでスポーツ万能学業優秀のいわゆるパーフェクトボーイ。
当然オンナノコにももてる。これは余談だが現在同じ学校の3年生である俺の姉貴の恋人でもあるのだ。
「わりぃ、今日はちょっとやることがってさ。」
「なんだよ〜、まさかこの前買ってたゲームじゃないだろうな?」
・・・どうにも俺の周りには勘が鋭いやつが多いみたいだ。
「まぁな。ってことで今日はごめん!クリアしたらハンバーガーおごるからさ。」
「まったくあんなゲームいつまでやってんだよ。やめとけやめとけ!!」
「あ、お前俺より先にクリアしたからってエンディングばらすなよ?!」
そう、信也は同じゲームを数日前にクリアしている。
でも、クリアした次の日には何故か元気がなかったような・・・・。まぁいっか。
「はいはい、しょうがねーなー。じゃ、ハンバーガーにはポテトもつけろよ。じゃあなー。」

さりげなくハードル上げて帰っていく信也。くっ・・・後で母さんに小遣いの請求しなきゃな。

「ただいまー。」
「あら、おかえりなさい。」
母さんの声が聞こえたのでさっきの件で小遣いの催促でもしようと台所へ入ると・・・。


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