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イジメテアゲル!
【学園物 官能小説】

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イジメテアゲル!-23

〜〜

「いったい何処で油を売っていたのかしら? もうほとんど終わらせてしまいましたわ」
 図書館で二人を出迎えたのは、かんかんに怒った美奈の声だった。
 あまり騒いではまたおばさん司書に怒られると由美がなだめるが、美奈の怒りは収まる様子がなく、英助の耳を引っ張りだす。
「い、痛いってミーさん、離してよ」
「……それより、どうだったの?」
「え、あ、それは……別になんでもなかったよ。……っていうかミーさん、俺の体操着、隠してただろ!」
 英助は部室での一件を誤魔化すついでに、聞き返す。
「ん? 何のこと? 私は知らないわよ」
 白を着るというよりも、本当に知らない風に見えるが、これに何度も騙されてきた。英助は証拠となる体操着を突きつける。
「誤魔化すなよ。文芸部の部室から千恵が見つけてくれたぞ」
「そんなこと言われたって、知らないものは知らないわ」
 平然としているというよりは、困惑している美奈をみると、嘘をついているように見えない。
 勘違いかと思い始める英助は振り上げた拳の落としどころが見当たらず、口ごもってしまう。
「ふんふん……ねぇ、なんか英助、変な匂いしない?」
「え!? いや、それは別に……」
 しっかりと手を洗ったハズだが、パンツまでは洗えない。脱ぐわけにもいかず、ティッシュで拭った程度のせいで訝しがられる。
「あれ? 千恵ちゃんブラウスボタン掛け違ってるです」
「あ、これは別に……なんでも無い」
 よく見ると第三ボタンが外れており、しかもスカートからブラウスの裾がはみ出ていた。
「……いったい何をしていたの?」
 美奈は眉間に皺を寄せながら詰め寄る。
「あ、えっと、その……は、は、はっくしゅん!」
 渡り廊下で風雨に当たったためか、千恵は可愛らしいくしゃみをしてしまう。
「おい大丈夫か久住。やや、これはいかん熱がある。しょうがない。今日はもう帰って休んだほうがいい。そうだ、途中で倒れたら大変だから送っていく。そうしよう」
 英助は棒読みで捲し立てると、そのまま千恵の背中をおして出口に向かう。
「ちょっと英助! まだ話は終わって……」
「ごめんね二人とも、あたしちょっと寒気するから先に帰る」
 千恵にそう言われると美奈はそれ以上食い下がることが出来ず、席に着くと大きくため息を着く。
「どうしよ……、私……」
「由美さん。課題なら私が手伝いますから、元気だして」
 美奈は一人ぼっちになった由美を励まそうと、柄にもなく優しい言葉を掛ける。
「あ、うん。ありがと、美奈ちゃん。よーし、ガンバルです」
 由美は笑顔を返すと、課題作成に取り掛かる。
 ただし、レポート用紙に臨む彼女の表情の曇り加減を、美奈は見過ごさなかった。


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