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寒い夜の拾い物…
【OL/お姉さん 官能小説】

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寒い夜の拾い物…最終章-6

 するとさらに同じように低い声で

「責任取ってもらうわよ、健司君」

と美樹が言った。
 健司の鼓動はどんどん速くなっていった。
 しかし次の瞬間、明らかにさっきとは違うトーンで美樹が言った。
「責任取って、私と祐美に一生かけて償ってもらうわよ…覚悟は出来てるんでしょ」
(えっ?)
 一瞬、美樹の言葉が理解出来なかった。
 しばらく考え、ようやく美樹の言葉を理解して健司が見上げると…


 …そこには天使のように微笑む美樹がいた。

「美樹さん…じゃあ…俺の事、許して…」
と言いかけると美樹は照れたようにプイッと横を向くと
「だからぁ、許さないって言ったでしょ、私と祐美を一生かけて幸せにしなさい…、それが健司君が私達に出来る唯一の償いなんだからね」
と言った。
 健司はまるで子供のように泣きながら美樹に抱きつくと
「ありがとう、美樹さん、俺、絶対に幸せにするから、一生かけて、死ぬまで全力で幸せにするから…」
と叫んだ。



 …それから二人は本物の恋人同士になることができた。
 いつの間にか健司と美樹と呼び合うようになった。

 そしてある日曜日
「私ねぇ、離婚して、健司と本気で付き合うようになった時の事を考えて、ちょっと不安だったんだ、健司、祐美の事可愛がってくれてたけど、前の旦那との子供だって事でそのうち祐美を邪魔だって思うんじゃないかなって考えてたの…、だからそういう意味では本当の事がわかって良かったって思うの」
「うん、…でもたとえ祐美ちゃんが俺の子じゃなくても、美樹の子には間違いないんだから邪魔だなんて思わないけどね、祐美ちゃん可愛いし…」
「うふっ、私と健司の子だから祐美、あんなに可愛いのかもしれないわよ」
「いやぁ、でも二人して可愛い可愛いって、俺達、凄い親馬鹿みたいだね」
 健司の部屋でそんな事を二人で話していると、出掛けていた夏美が帰って来たようだった。
 しかし夏美は美樹が来てるのに気付かずに自分の部屋に入っていった。
 すると美樹が突然、思い出し笑いをして言った。
「そういえば私達の事を話した時の夏美の顔、最高だったね」
「うん、最初、はぁっ?とか言ってポカーンとして、その後質問責めだもんなぁ…、あんた達本気なの?とか、いつからよ?とか、健司のどこがいいの?とか…ホント、驚いた時の馬鹿面は笑えたけどね…」
と健司も笑いながら言った。
「ダメでしょ、そこまで言っちゃ、夏美、今帰ってきたよ」
「大丈夫、どうせ聞こえて無いんだから」
 そんな事を言いながらイチャイチャしていると、突然ドアが開き
「こらぁ、全部聞こえてるわよ、あんた達、何大きい声で私の悪口言ってんのよ、…って、私が隣の部屋に居るの分かってるクセに悪口言いながらイチャイチャしてんじゃないわよ」
と夏美が顔を赤くしながら言ってきた。
 健司と美樹は慌ててパッと離れると
「どうもすいませんでした」
と照れながら謝った。



 一年後、健司と美樹は結婚した。
 最初は三人でどこかを借りて住もうかと思ったが、健司の家族とも話し合い、結局健司の家で暮らす事になった。


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