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寒い夜の拾い物…
【OL/お姉さん 官能小説】

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寒い夜の拾い物…最終章-5

 ホテルの部屋の中で健司と美樹はいつものように並んでソファーに座り
「ううっ、今日寒いね、…どうしたの?久しぶりに会ったのに健司君、元気無いね、何かあった?」
 美樹が心配そうに健司の顔を覗きこむと
「美樹さん、話しがあります、聞いてくれますか!」
 健司は立ち上がり美樹の前に立ち、そう言った。
 美樹は突然の健司の言葉に驚いたが
「はっ、はい」
と背筋を伸ばして答えた。
 そして
「…実は、美樹さん、前に俺の部屋で初めてしたのこの部屋だったよねって言いましたよね、あれ、違うんです…」
「えっ?何で、健司君の部屋でしょ、違わないよ」
「違うんです、…実は、…俺の部屋でした時より三か月位前、俺、酔った美樹さんとしちゃったんです、ごめんなさい」
「…えっ?ええっ?嘘っ?酔っ払ってた私と?…どこで知り合ったの?どこでしたの?」 美樹が驚いた顔でそう言うと
「知り合ったっていうか…、仕事の帰りに道端で倒れてる美樹さんを見つけて、凄く寒い日だったからほっといたら死んじゃうと思って…、近寄って声を掛けたら美樹さん凄く酔っ払ってて歩けなくて…、家聞いたら目の前のマンションだって、だから部屋まで送ってって、本当に最初は親切心だけだったけど、あまりに美樹さんが可愛くて、美樹さん酔ってて意識ほとんど無かったんだけど、俺、我慢出来なくなっちゃって…本当にごめんなさい…あと…」
「ちょっと待って、私そんなに酔ってたの?全然覚えが無いけど…エッチしてる間、ずっと意識無かったの?私」
「いや、してる最中、半分意識あったみたいで、けんじって言うから俺、凄く驚いたけど…」
「でも結局しちゃったんだ」
「はい…」
「ふぅん、それでわかった、私が何か前に健司を見た事がある気がしたのか、エッチしてる時、私少し意識あったのね、あと健司君の家でその事健司君に言ったら妙に焦ってたのも…やっと全部理解出来たよ」
 美樹が納得していると
「あの…、あと、…初めて美樹さんが家に来た時、姉ちゃんと話してたのを聞いたんだけど…、美樹さん、彼とは避妊してたのに妊娠しちゃったって言ってましたよね」
「うん、それで結婚したんだもん、それが何?」
「…俺、美樹さんとしちゃった時、あまりにも気持ち良くて中に出しちゃって…それから三か月後、美樹さん初めて家に来て、今妊娠三か月目だって言ってたから…」
「嘘…でしょ…、本当に?」
「…本当です、美樹さん、ちゃんと彼と避妊してたんなら、…祐美ちゃんはたぶん…ごめんなさい、本当にごめんなさい」
 そこまで言うと健司は土下座して謝った。
「…あの頃はまだ子供作る気が無かったからきちんと避妊してたの、だからおかしいなって…そっかぁ、健司君の仕業だったんだ…」
 美樹の言葉に健司は恐る恐る顔を上げて美樹の表情を伺った。
 しかし美樹は下を向いてうつむいていて、それから何も言わなくなってしまった。

 しばらく沈黙が続き…

 健司は沈黙に耐えられず
「俺、美樹さんの事を本気で好きだから…この事を黙ったまま美樹さんと付き合っていくのは耐えられなくて…、だからどんな償いでもしますから…、ごめんなさい、美樹さん」
 そう言うと美樹は相変わらず表情が見えないままの姿勢で黙り込んでいた。
 …そして

「許さないわよ…健司君…」

 今まで健司が聞いた事が無い低い声で美樹が言った。
(もう駄目だ…、美樹さん、完全に怒ってる…、しょうがない、俺が悪いんだから)
 健司はそう思い、ガックリとうなだれた。
 もう二度と美樹の天使のような笑顔が見られないと思うと、悲しさのあまり涙が溢れ出した。


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