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バレンタインデー
【失恋 恋愛小説】

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バレンタインデー-5

「ちっげーよ、バカ。結愛ぁ、神条って書いてあんじゃん。良かったな」

「先輩は神じゃなくて上って書いて上条」

それでも里津は「ハァ?」と首を傾げて

「じゃあ自分で自分の名前間違えたんじゃねぇの?アホだなぁ、先輩も」

少しプッと笑った。

「そんな訳ないでしょ!先輩を好きだなんて里津にしか言ってないんだもん!」

「だーから違うっつの。オラ、行くぞ。遅刻しても知ーらね」

ニヤッと里津の口角が上がった。
いつの間に里津はこんな笑い方が出来るようになったの。
その笑い方はどことなくあの日の先輩に似ていた。でも先輩よりもずっとずっと…。
このメモは、たぶん里津が書いたもの。でも、もしかしたら本当に身に覚えが無いのかもしんない。
結局、分かんないや。
それでもあたしは言いたい。

「里津、ありがと」




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