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バレンタインデー
【失恋 恋愛小説】

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バレンタインデー-4

次の日、学校には行きたくなかった。でも何となく、来てしまった。
燃え尽きた感たっぷりでまるで廃人なんだけど。
会えるかもしれないからワクワクしてた朝の玄関ももはやただの通過点で、むしろもう会いたくない。

「はぁ」

無意識のため息も何度目だろ。
あーあ、靴の履き替えすらめんどくさ。

「ん?」

下駄箱に…何これ、手紙?っつーかメモ?

【チョコレートおいしかったです。
ありがとう。

神条】

神条?…先輩?
何これ、何これ!?だって昨日確かにチョコは捨てたのに。…もしかして。
あたしは先輩のクラスに向かって走った。
階段は一つ飛ばして登った。
スカートがピラッてなってパンツが見えたかも。でも気にしてらんない。
脇目も振ってらんないんだもん。
先輩のクラスに着いた。何も考えず思いっきり扉を開けた。
空気がぴたっと止まってクラス中の視線が刺さる。
その中に…いた。先輩!

「あ、昨日の」

「上条先輩っ!」

言わなきゃ。チョコは無くても、バレンタインデーじゃなくても。

「あたし、ずっと先輩のこと好きでした!さよなら!」

「好き…でした?過去形?」

けじめは付けた。あとはこのメモを書いた張本人に会いに行かなきゃ!




毎日遅刻ギリギリだから、奴が来る時間に玄関にはもう誰もいない。
そんな中で奴を待つのは少しばかり緊張した。

「ヨォ結愛、お前今日遅ぇな」

「里津に言われたくない」

里津は欠伸をしながら自分の下駄箱に靴を収めた。履き替えたところで、あのメモを差し出す。

「ん、何?」

「これ、里津でしょ?」

興味なさげにそれをちらっと見て里津は首を振った。


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