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ミス・イケメン
【純愛 恋愛小説】

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ミス・イケメン-4

すると、十和さんはどこか微笑んでいた。微かに哀愁を感じさせる綺麗な横顔。

「俺もどうしようもない馬鹿だ。呆れる。」
「(ヤケ)俺の馬鹿がうつったのかなー☆」
「言っとくけどこの辺に分厚い境界線あるからね。」
「…。;」

分かれよ俺の気持ち!(泣)たく、折角俺がノリ良くしようというのに。その毒はどっから沸いてくるんだよ。

帰り、俺は駅のホームに着いた。今日は十和さんがいつも乗る一両目が止まるとこでウェイト。
早く来い!十和っち☆
十和さんがMD聞きながら歩いてきた。よし、気付け気付け!
・・・。
…あれ?十和さん??

「十和さーん?」
「げっ。また沸いてでた。」
「(ガーン!)…気付かなかっただけかよ。;」
「じゃあ。」
「って、えっ?一両目ここじゃ?」
「もっと向こうだよ。」

そうか、あまりそこ乗んねぇからわかんなかった。
シカトされたんじゃなくて気付かなかっただけね。十和さんらしい、けど周りに無頓着過ぎ。
どうこうして電車が来たから一両目に乗った。ボックス席で対になって。

「何で付いてくんの。」
「まぁ、いいじゃん。俺I駅で降りるんだ。十和さんはその前で降りるだろ?」
「…ストーカー。」
「だって降りるとこいつも見てんもん!十和さんそれはないでしょ〜。」
「見るなよバーカ。」
「…じゃ、じゃさ、俺と話しようよ。もっと十和さんのこと知りたいからさ。」
「うっ。鳥肌立ってきた…?気持ち悪っ!」
「…酷い。酷すぎる(泣)」
「…まぁ、いいけど。犯罪歴でも聞こうじゃないか。長時間その顔見るの精神的にキツイけど。」
「…その毒はどっから出てくるんデスカ(涙)」

綺麗な外見してるのにマジでもったいない。けど、俺これでも懲りないんだから本当に惚れてるんだな。…何気にMの素質あったり?(爆

「新谷と仲いいよな。」
「気が合うからね。」
「さっきのグロい話で?」
「まぁね。よく考えてみりゃ、ああいう話しかしてないな。」
「本当にあいつシロだ。うん。」
「シロ?新しい犯罪用語かい?」
「…。;」

あぁ、ホッとした直後またショックが。でもやっぱりあなたが好きョ…(懲りない奴
俺がグロい話をふっかけたのが良かったのか、彼女は少しやわらかくなった感じがした。

「君も好きなの?」
「いや、俺はちょっと…。」
「ほ〜。(ニヤリ)」
「な、何だよ。」
「さっきのDVDの血の色素晴らしいんだ。真紅の薔薇のように、その血の上に横たわる骸骨が…。」
「やめてぇ〜〜〜っ!!?(ムンク)」
「軽さ並みに弱っちぃな。」
「純情に育った子ですから!(泣)」
「犯罪者だから猫被るの上手いってことね。あー、納得。」
「何でそっちと結び付けるかなー…(グスッ)」

見る見るうちに十和さんは笑顔になってってる。可愛い!持ち帰りたい!(危険)でも、かなり意地悪な微笑みが微妙にかっこ良い?
それから色々な話をした。偶然俺と十和さんの音楽の好みが似てて、その話をしたり、グロい話聞かされて泣かされたり、ギターの話聞いたり…。すげぇ楽しかった!(何回か死にかけたけど
毒混じりにも、俺には絶対に見せてくれなかった笑顔を見せてくれた。いつもより素直な彼女は、まるで天使のような穏やかでふんわりとした笑みを浮かべていた。
あぁ、もっと好きになっちったよ。だけど、今は告る気にはならねぇな。この笑顔をもっと眺めていたい。瞼の裏に火傷するくらい焼き付けておきてぇ。

「さて、そろそろか。」
「気をつけてな。」

ここで毒をくらうかと思いきや、数学の時間に見せたあの表情を浮かべた。哀愁という言葉が似合う。

「今のがいつもの君なら良かったんだけどな。」
「え?」
「妙にかっこつけたり突っ掛かっても、俺のように変に捻くれて血塗られた人間になるだけなんだ。」

電車がとまった時には、彼女は「じゃあ」と言って電車を出た。穏やかな笑みを残して。
十和さんが言ってた意味はわからない。けど、今の俺は嫌いじゃないってことなのか?もしかしたら俺が少しでも変わればもっとふり向いてくれるのか?
結局、俺は終点までその場で彼女のことばかり考えていた。


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