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ミス・イケメン
【純愛 恋愛小説】

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ミスター・イケメン-6

「…十和君もグロいのが好きなの?」
「…あぁ。」

十和君は見せる顔がないのか目を合わせようとしなかった。
けど、私の方にしては何だと思っちゃったわよ。てか、安心しちゃった。ただ驚きなんだか意外なんだかで固まったくらい。

「それだけなの?」
「それしか思いあたる節はない。」
「な〜んだ、そんなことなのぉ?もっとすごいことなのかと思っちゃったじゃない。」
「えっ?何とも思わないのか?」
「だって、お姉さんがそうだし。意外だけどそこまでピンとこないの。…その、私十和君のことよっぽど好きみたい。」
「そ…そこまで…///」

十和君はいっきに顔を赤らめて、目をきょとんとさせてこちらを直視する。可愛い〜っ!たかがグロが好きで嫌いになれるかこんなオイシイ子!(笑)
…でも、私グロいのは苦手かもしれない。もちろんお兄ちゃん程じゃないけど、多分。
ちょっと納得はしたかもしれない。ごめんね十和君。

「ねぇ、十和君朝も帰りも誰とも一緒じゃないでしょ?一緒に行き帰りしようよ。」
「うん。ずっとそうしたかった。」
「いっぱいデートとかもしようね!十和君の私服早くみたいなっ♪」
「あぁ…私服そんなに見たいか。;」

それから一緒に帰って、しかも人通りが少ないから送ってもらっちゃった。
家の近くに着いて、歩くのを一旦止めた。

「すぐそこだしもういいや。送ってくれてありがとう!十和君。」
「いえいえ。一人で帰らせるなど以っての外。」

十和君はそう言いながら歩み寄ると、顔を少し近付けてきた。気付いたときには肩を寄せられ、顔が至近距離。
いつのまにか唇が重なり合っていた。私にとって初めてのこと。目の前に目を閉じた彼がいて余計にドキドキが増す。
唇が離れて、羞恥心がいっきに込み上がる。彼の方も頬が少し上気していた。

「こんなことをするのは初めてだ。俺だけの権利だ。」

彼はそれじゃと言って帰り道を歩き出した。
なかなかドキドキが止まってくれない。何度も思い出しては頭を侵略する。
ようやく足が言うことをきいてくれるようになって、その途中二階の窓を見ると…。
げっ!馬鹿兄がいるぅ〜!いやぁ〜っ!!

帰って早速部屋に呼び出され、今必死で説明中。

「両想いだとぉ〜っ!?お前にそんな惚れる要素があるのかぁ?」

私はお兄ちゃんの言葉で勝手に手が動き出し、その辺の雑誌を投げ付けていた。見事鼻に命中して鼻血を出していた。

「そういえばよ、弟君新谷と仲いいみてぇだけど。まさか…。」
「そのまさかよ。嫌われるようになったのはそれが発端なんですって。」
「新谷の奴どこまで人騒がせなんだよ…。さすが血が繋がってるだけある。;」

約半年、色々とあって大変だったけど、私頑張った甲斐があったんだ。これからどんなに辛くても私には素敵な王子様がいるもの。私だけの、特別な…。
きゃっv私ったら何恥ずかしいこと言ってるんだか。
彼に会うのを楽しみに、布団の中で吸い込まれるように眠りについた。彼が夢にでてくれたらな…Zzz。



Fin


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