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地獄に殴りこみ
【コメディ 恋愛小説】

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地獄に殴りこみ 〜4〜-1

「んじゃあ5のダブル」
「10ダブルで」
「ふっふ〜ん、13ダブル」
「甘いわよ、フェイ。1ダブル」
「なんでじゃーー!!」
「落ち着け、別に悪いことはしていない」
俺らは今大富豪をしている。もちろん地獄で。

〜角野郎は馬鹿野郎〜


「しっかし地獄にトランプがあるとはな〜」
「元はといえばトランプ自体は俺ら神様が作り出したものなんだよ」
「そうなのか!?」
「うん。もともとこっちでは占いなんかに使ってたんだけど。あ、タロットって言ったほうがわかりやすいかな?でさ、それを人間が真似して作り出したのがトランプなの」
「最初は人間どもがまた馬鹿なことをし始めたって言ってたんだけど・・・」
「様々なゲームが出来始めるにつれて面白くなってきてな」
「そんで今じゃこっちでも流行るようになったんだよ」
世界を超えた逆輸入じゃん、それ。しっかし普段から見かけるものにそんな由来があるとはな。
「他にも色々あるよ〜」
ほぅ、例えばどんなのがあるんだ?
「最近のだとたまごっちとか」
懐かし!?つーか最近でもねーだろ。あ、こっちでは最近になるのか?
「もうね〜、すごいブームだったんだよ。たまごっち買うために地上に降りるわ仕事はサボるわで。一時期地獄が回らなくなっちゃって世界が崩壊しかけたんだよ〜」
どうしよう、ツッコミどころが多すぎてどこからつっこめばいいのかわからん。
「確かにあの時は異常なまでのブームだったな」
いいや、めんどくせーし大富豪に集中しよう。せっかくいい手札なんだ。ここはなんとしても大富豪になっておきたい。

がちゃ
『すいません、フェイ様』
「ん、どしたの〜?」
入ってきたのはフェイのサポートをしてる、まぁ秘書みたいな人だ。面識はあるが喋ったことはない。
『少しお伝えしなければならないことが』
「なになに、どしたの?」
『・・・赤鬼様と青鬼様がこちらに来られるそうです』
「うげっ!?・・・マジで?」
『はい。どうやら幹部方様から何か命令が出たらしく・・・』
「・・・あのじじい共め」
「なぁ、フェイ。何の話だ?」
「赤鬼と青鬼が来るらしいの」
「何!?」「本当に!?」
なになに?何の話だ?
「そっか、恭くんは知らないよね?赤鬼と青鬼っていうね、そっちでいう警察みたいな仕事をしている二人が地獄にいるの」
赤鬼と青鬼ってーと、あの絵本とかに出てくるようなか?
「うん、大体そのイメージであってると思うよ」
んで、その二人が来ると問題でもあるのか?
「ムカつくの」
・・・はい?
「もう最っっっ高にムカつくの。自分達が少し強いからってめっちゃくちゃ威張るの!!」
そんなにか、レイミー?
「うん、確かに相当威張るね。あ〜、やだな。あの二人来るとか」
・・・強いのか?
「そっちの世界で悪さをした奴が来るのが地獄、その地獄の治安維持をしているといえば想像がつくだろ?」
・・・確かにそいつは強そうだ。


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