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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜
【鬼畜 官能小説】

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改:愛・地獄変 〜地獄への招待〜-8

 もっともその折りの私には、そのことの詮索よりも・・・。娘は、私の腰にまたがり、足のふくらはぎ・足首を揉んでくれました。親孝行のつもりかもしれません。しかし私にとっては・・・。娘と分かってはいても、暖かく柔らかいお尻の感触が悩ましいのでございます。
 娘は、薄いパジャマ姿でございました。お風呂上がりのせいもあるのでございましょうか、少し汗ばんでいたのでしょう、湿り気を感じました。若い女の体臭とでも申しましょうか・・・。ぷーん、と良い匂いでございます、ぐふふ・・。申し訳ございません。娘でございます、分かっております。分かってはいるのでございますが、ムクムクと・・・、又しても。

 私はこの一年の間、女性との接触がまったくありませんでした。いえいえ、性欲が無かったわけではありません。むしろ若い頃よりも、或意味では高ぶることが多くなっておりました。一人、恥ずかしい話ではございますが、自慰に耽ったことも一度や二度のことではございません。
 いいえ、実はこれからなのでございます。そろそろお気づきになられた方もおいでになるかもしれませんな。他の方には、まだ内緒にしてくださいよ。謎の紐解きの面白さが失われてしまいますからな。
 その後も、何やかやと娘は私の世話をやいてくれます。妻は目を細めて、冷ややかな目でそんな私たちを見ております。その頃には床上げも済んでおります。そして朝食の用意もしておりました。
は?ぐふふ、いえいえご心配なく。娘は私と一緒を選んでおります。妻はそそくさと部屋に戻っていきます。小憎たらしいことに、娘にはにっこりと微笑みかけながらも、私とは目を合わせようとしません。

 ある夜のことでございました。娘がいつものように私の体を気遣っている時、妻が私の部屋に入るや否やキッとした険しい目で娘を睨み付け、悪態をついて娘を追い出しました。何と言いましたか、うーん、はっきりとは覚えておりませんのですが。
「いい加減にしなさい!」とか何とか、そんなことだったと思います。えっ?そ、それは・・。ひょっとしたら、
「その辺にしときなさいね。」だったかも・・しれません。しかし、しかし・・。私が見た妻の顔は、それはもう、恐ろしい形相でございました。

 その昔、まだ赤線というものがありました頃のことでございます。亭主を寝取られたと、娼婦のもとに出刃包丁を手に乗り込んできた、半狂乱の女が居たと聞き及んだことがございます。その女の形相が、妻を見た時はっきりと思い浮かべられましたのでございます。
 もっとも、無理もございません。まだ三十路も半ばの女盛りでございます。夫婦の契りを断って、一年近くの月日がたっております。娘の為によりを戻そうとしてはみるのですが、やはり口論となってしまいます。買い物だと分かっております折りに、帰りの時間がいつもより遅い時がございました。そんな時“若いツバメ” を作ったのでは、と疑ったりするのでござい
ます。又、艶っぽい仕草を垣間見せることがございますと、”やはり居たか”と、思ってしまうのでございます。

 娘と妻の口論時には、どうしても娘の味方をしてしまいます。妻の止めるのも聞かずに、一週間ほどのクラブの合宿に参加した時でございます。正直のところは、私も内心では反対でございました。いえ、妻の申すような心配事からではございません。妻の申しますには、女ばかりの合宿は危ないと申すのでございます。引率の教師が女性であること、湖畔のバンガローのような宿泊所であること、等々。
 私の反対の理由は、妻と二人だけの日々が苦痛なのでございます。又、娘と離れての日々を過ごすことが、苦痛であり淋しくもあるのでございます。己の都合だけからの反対心でございました。自己中心的だとのご指摘、その通りでございます。申し訳ありません。しかし、その頃の私には、娘の居ない日々は考えられなくなっておりました。正直のところ、毎日の学校ですら苦痛でございました。“片時も離したくない”そんな気持ちでございました。

 ですが、娘のたっての希望を、頭ごなしに反対する妻に味方することはありませんでした。一度は反対いたしましたが、結局のところ娘の希望を叶えてやることにしたのでございます。物わかりの良い親父を演じてしまいました。今にして思えば、やはり反対すべきでしたが。しかし娘の喜びようといったら、それはもうありませんでした。
「お父さん、ありがとう!大好きよ!」と、私に抱きついてくるのでございます。その勢いの余り、私が後ろに倒れるほどでした。
「好きよ、お父さん。」と耳元で囁かれた折りには、天にも昇る思いでございました。私の人生において、この頃が最良でございました、はい。


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