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僕とあたしの海辺の事件慕
【ラブコメ 官能小説】

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僕とあたしの海辺の事件慕 第二話「不可解な出来事、しばし」-19

「叔父様に悪いですよ」

 そういってこっそりと手酌する理恵。

「そうね、でも弥彦兄様ってお父様と似てますからね」

 公子はひょいとその勺を奪うと、ぐびりと煽る。

「くう……」

 寸前でアルコールを攫われた理恵は悔しそうに唸るも、公子はフランベを済ませるとさっさと席に戻る。

「ワシとアイツが似てるかなあ……」
「ええ、昔の私が母様のお手伝いで餃子とシュウマイを作っていたとき、お父様は腹に入れば一緒とおっしゃって餡を交ぜちゃったことがあったでしょ? 弥彦兄様もそれを真似してジュースでも牛乳でもなんでも混ぜるようになって……」

 「ウフフ」と笑う公子に対し「そうじゃったかの」と頬を掻く久弥。

「ふふふ、おじい様もおおざっぱというか、そういうところありますからね」

 一人お酒を呑めないでいた理恵も楽しそうに口を挟む。

「ふむ。いいよるのお。時に理恵、一人で眠れるようになったかの? ここは怖いお化けが出るからのお」
「ええ、可愛い姪が大人のたしなみを求めると目を光らせる怖いおば様が……」

 右へ左へ受け流す理恵にしてやられたという風に眉を顰める公子。皮肉の飛び交う食事になれていない澪も真琴も冷や汗交じりにその流れを見る。

「……いつもああなんですよ。久賀一家は……」

 紗江が澪の空いたグラスにお茶を注いでくれる。

「毎年一回はここに集まって親族会議というか、昔の恥ずかしいことをほじくりあって……まったく仲が良いんだか悪いんだか……」
「へえ、それって僕と澪……」

 仲直りの口実を探す真琴は必死に会話の糸口を探すが……、

「真琴さん、食事が終わったら後片付け終わるまで待っててくださいね?」

 わざわざこのタイミングで水を差す紗江。にっこり笑うその視線の端ではしっかりと澪を見つめており、あたかも「彼氏借りますね」といわんばかりの優越感を醸す。

「良かったわね、真琴君。年上のガールフレンドが出来て……。あたしは君とただの友達だから文句なんてありませんけど……」

 澪はお茶を一気に煽ると汚いものでも見るかのように真琴を睨みつけ、「フン」とつまらなそうに食堂を後にする。
 まだ日も完全には落ちておらず、アルコールの入った三人の声が賑やかなうちに汗を流してしまいたいのも、その理由ではあったが……。


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