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僕とあたしの海辺の事件慕
【ラブコメ 官能小説】

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僕とあたしの海辺の事件慕 最終話「色褪せても大切な日々……」-18

「久弥君。見つけてくれなかったんだね。手紙」
「すまないね、妙さん。色々探し回ったんだが、どうにも……」
「うふふ、手紙はポストの中にあったのよ。ま、かくしてたけどね」

 妙は笑顔で手紙を取り出すと、そっと久弥に差し出す。

「ワシは……読むわけにはいかんな。この歳で不倫する気にもなれんし」
「そう? そうね、久弥君も立派な奥さん、もらったものね……」
「あんたほどじゃない……なんていったらばあさんに怒られるな」
「ふふ、悪い人。そういえば貴方、うちの孫を……」
「ああ、その、君の力になりたくて、迷惑じゃったかな?」
「いえいえ、とても感謝していますよ。それに、思い出の場所を残していてくれて……」
「いやいや、ここの物件は意外と優良じゃよ。夏は海、秋は食べ物、冬はスキーに春は散策、いくらでも稼げるわい!」
「まあ、それじゃあまだまだ現役ね?」
「そうかのう。いや、そうかもしれんな……」
「そういえば絵、私も探していたのよ? 退院の時、アレだけなくて……」
「イタズラ坊主が持っていったんじゃ。失恋するのが悔しくてな……」
「それじゃあこの手紙と交換ね……」
「ああ、それもいいかのう……あの絵は妙さんに送るもの……」

 自室の方を見上げる久弥。

「この手紙は久弥君に送るもの……」

 手紙に視線を落とす妙。

 かつての淡い恋人未満の二人は束の間の思い出に浸っていた。

 それはペンションホネオリのセピア色の一ページに過ぎないが……。


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