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くだらない
【青春 恋愛小説】

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くだらない-2

―翌日

(今日は休みか…なにをしようか…)
寝癖がたったボサボサの髪で自分の部屋をでると父と母がすでに朝食をとっていた。母がいきなり俺に話しかけてきた
「ねえ、一真。あなたもいい歳なんだから彼女の一人や二人いてもおかしくないんじゃないの?ねぇ、あなた?」
「ああ、そうだな。お前も若いうちに楽しんだほうがいいぞ。体ばかり鍛えてないで、すこしは羽目をはずしてみなさい」
俺の両親は仲がいい。しかも高校2年生の息子を持つ親にしては若い。二人とも35歳だ。俗にいうできちゃった婚というやつで結婚している。子どもは俺一人。仲が良いことはいいができちゃった婚はなんとなく嫌だった。親いわくできたものは仕方ないだそうだ。
「彼女ねぇ…まあそのうちってことで保留にしておいて」
そう言うと洗面台に向かい冷たい水で顔を洗い髪を整え、歯を磨いた。朝食は食べる気分じゃなかった。自室に戻りいつもの黒いGパンに履き替え黒いシャツを着てからその上に黒い厚手のコートを着る。親や友人から言わせれば高校生らしい格好をもっとしたほうがいいらしい。俺は別に気にしていない。黒色が好きだし、派手な格好が嫌いだからだ。コートのポケットに煙草を忍ばせ俺は家を出た。朝日が眩しく辺りが美しく輝いて見えた。そして2日前に訪れた公園で煙草をすっていた。そのとき後ろから女の声が聞こえた
「斎藤〜」
聞き覚えのある声。三嶋の声だ。
「朝っぱらから煙草吸って、体に悪いっていったでしょ?」
「三嶋には関係ないっていっただろう?あんな冷たい発言した男にまた話しかける三嶋の気がしれないな」
また俺は冷たい言葉を放ってしまった。嫌になる。こんな自分が。三嶋はなにも悪くないのに
「そんなことばっかりいってぇ。彼女できないよ?」
「俺に彼女なんていらない。他人といるのがめんどくさいんだ」
「友達とはいるくせに」
「集団生活の場では仕方ないだろう?」
「ていうか斎藤ってさ、いつもなに考えてるの?友達といるときはなんか作り笑いで一人の時は異常に冷めてるし。ホントに高校2年生?」
「さぁ?もう俺といてもつまらないだろ?帰る…」
三嶋に背を向け歩き出した
(俺なに話してたんだろうな…)
そんな後悔の最中後ろから衝撃が走り前に倒れてしまった
「なにすんだ…三嶋…」
「気合いをいれてやろうと思ってね!!やりすぎた?」
「やりすぎだ…」
果てしなく疲れる。三嶋玲子。お前はなぜ俺にそんなに関わる?。「あのさ私の家にこない?」
その発言に驚き俺も話した
「友人でもなければ恋人でもない。そんなやつ連れていくか?」
「いいの!!斎藤に拒否権は無し!!」
「そんな…」
そのまま三嶋に引きずられると一軒家についていた
「明日まで親が帰ってこないから入っていいよ」
「そんな状況で男をよぶか?」
「大丈夫でしょ。斎藤だし」
(この根拠のない自信はどこからくるんだろうか?)
そんなことを考えつつ三嶋の家のリビングで待っていると三嶋は有り得ないものを持ってきた
「それビールじゃないのか?」
「うん。好きなのよ」
人にさんざん注意しておいて自分はビールかよ。しかもまだお日様が見えてる時間に
「若いんだから気にしないで飲みなさい!!」
言われるがままに俺はビールを飲み干した

―5時間後

俺はよって眠っていたらしい。気が付くとベッドの上にコートを脱がされた姿で寝ていた。起き上がろうとすると三嶋が近付いてきた
「やっと起きた!!目覚めはどう?」
「最悪…」
「へぇー、まあ色々聞けたからよしとしよう。ふふ…」
「あぁ?俺からなにを聞いた?」
焦った。酔った勢いでなにを喋ったかわからないからだ。しまったと思ったときには遅かった
「斎藤があんな繊細で純情な少年だとは思いもしなかった。むふふ…」
終わった…。俺の人生終わった。全部話してしまったらしい。俺の考えなどを。含み笑いが恐怖心をかきたてる
「ただ単に冷たい奴としか思ってなかったのにねぇ」
絶望の念しか俺の胸には残ってない。よりによって高校2年生という時期に同じクラス、しかも隣の席の人間に俺の本性をしられたのだから
「でもね、共感できるところが私にはあるよ」
「なにが?」
覇気のない返事をする
「恋愛で肉体関係に至らず純粋に愛し合うっていう考え」
「よりによってそれですか…」
「だっていまどきそんな風に考えてる人いないから…私の周りの女子の友達もすぐSEXの話しをするから飽々してたんだ」
「そうですか…迷惑かけたしそろそろ帰るよ」
コートを着用し部屋を出ていこうとすると後ろからまた衝撃が走った。公園でくらった衝撃とは違う優しく包み込むものだった…
「ねぇ…、私にぐらい本音で喋ってもいいんじゃないの?」
俺の体が三嶋の腕にとめられている
「いやだね」
「帰らないでよ…一真…」
うまれて初めて親以外の異性に名前で呼ばれた
「そんな恥ずかしい台詞よく言えるな」
また皮肉混じりに発言してしまった。自分に苛立つ
「寂しくないの?」
「俺が満足すればいいんだ」
腕を振りほどき強引に帰ろうとしたが三嶋が許さなかった
「離さないよ…」
「うぜぇ!!」
頭に血がのぼりつい怒鳴ってしまった。そして三嶋の家を飛び出し、とにかく走った。自宅にもどってからベッドに横になっても罪悪感で眠ることが出来なかった
(やっちまった…)


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