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天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜
【理想の恋愛 恋愛小説】

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天使のすむ場所〜最後のドライブ〜-5

「何それ。え〜と、産まれた時とか?結婚式と…あれ、でも結婚しない人はどうなんだろ。入学式とかかな。あとは〜…わかんないよ。」



一人突っ込みを入れながら答える私に、噴出しながら直人は顔を上げて私を見つめる。




「最後は、死ぬときだよ。」



直人は笑顔でそう言った。



「葬式で、絶対だれも悪口はいえない。だから、人間絶対に3回は褒められるんだよ。」




直人、なんでそんなこと言うの?私は、今きっとすごく歪んだ顔をしているに違いない。直人がそれでも、話を続ける。



「美香、天国っていいところだと思うか?俺はすごくいいところだと思うんだ。絶対。」


「なんで?」



涙をこらえて聞き返す私。



「だってさ、みんな天国行って誰も帰ってこないだろ?誰も帰ってきたくなくなるくらいの場所なんだから、絶対いいところなんだよ。俺、だから全然怖くない。」



直人は、なんでそんなことを平気で言うんだろう。でも、すごく納得してしまう話し方で、本当に天国ってあるのかもしれないって思った。直人は、すべて知ったような笑顔を浮かべた。私は、もう涙を抑えることも言葉を飲み込むこともできなかった。



「…直人は、私たちをおいていっちゃうの?私はまだ、直人と一緒にいたいよ。なんで?なんでそんな笑顔で、そんなこと言えるの?直人は、私たちと離れて寂しくないの!?」



砂浜に泣き崩れて、何年ぶりってくらい久しぶりに大声を上げて泣きじゃくる私。今まで我慢してきた寂しさ、不安、喪失感、恐怖…すべてがごちゃまぜになって、溢れて砂浜にこぼれた。直人は優しく優しく、そんな私が泣き止むまで頭を撫でていてくれたんだ。一通り泣いて、泣きつかれて嗚咽をもらす私の顔を直人は、両手で包み込んで上にむかせた。やっぱり、直人は優しく微笑んでいて…また、涙で視界がぼやける。直人の顔を見ていたいのに、全然まともに見れなくて。


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