投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜
【理想の恋愛 恋愛小説】

天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最初へ 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 6 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 8 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最後へ

天使のすむ場所〜最後のドライブ〜-4

「本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ。痛み止めの薬もさっき張り替えたし。」



エンジンをかけながら、心配する私に「ほらっ。」と言って、パーカーの袖をまくって左腕に張ってある痛み止めを見せてくれた。私はため息をついて、



「しょうがないな〜。ほんとちょっとだけだよ?麻美達が学校から帰ってくるまでだからね。」



と、車のアクセルを踏んだ。隣ではニコニコしながら窓の外を見ている直人が見える。少し、ほっとしたような。でも、不安は消えなかった。



場所は、病院の近くにある海沿いの公園。砂浜に車を停めて、車椅子に直人を乗せて降りる。



「やっぱ気持ちいーわ。海の空気は最高だね〜。」



直人が、背伸びをして太陽の光を浴びている。太陽に照らされた直人の髪が金色に透けて見えた。この人が、1週間後にはいなくなるなんて私は考えられない。思わず、涙が出そうになる。直人はしばらく海を見ていた。私はそんな直人を少し後ろから見つめていた。と、突然…直人が振り返る。



「美香、こっちおいで。」



直人は、優しく微笑んで手招きをした。私は、不思議に思いながら3歩進む。直人の隣に並ぶと、



「もっと、こっち。俺の前にきて。」



直人は私の左腕をひっぱり、無理やり直人の前に向かい合わせに立たせた。直人の頭が私のお腹あたりにある。直人は、両腕を私の腰に回して、ぎゅっと抱きしめた。久しぶりの、直人の感触…。



「なに?どうしたの?」



私は、直人の頭を抱えるように抱きしめ返す。直人は何も言わないで、顔をうずめたままだ。



「直人?」

「美香、人って人生のうち絶対3回は褒められるんだ。いつだか分かるか?」



直人は、顔を埋めたまま私に尋ねた。なにを言いたいんだろう…。


天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最初へ 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 6 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜 8 天使のすむ場所〜小さな恋が、今〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前