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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則A-4

健吾の家には昔からよく行っていた。夜、両親がいない時なんてしょっちゅうだから。
でも、健吾は高校生になってからあたしを部屋には入れなくなった。中学生の時でも、滅多に入れてくれる事はなかった。
あたしは部屋のドアが分厚くて高い壁のように感じてそのドアが憎らしくてたまらなかった。
だって健吾の世界がわからないんだもん。

昔は健吾の部屋にはマンガなんてなかったけど、今は読んだりしてるのかなぁ?


「じゃあさ、俺のおすすめの本、貸してやるよ。それ読んでみ?」

『―――っ良いの!?』

「かなが少しでも興味持つならね。」



にっこり笑った健吾はそう言い、今日の勉強は終わった。

興味持つに決まってるじゃん!今までずっと閉ざされてた、健吾の世界がちょっとでもわかるんだもん!!
ちょっと邪かもしれないけど、それが勉強にも繋がるなら良いよね!!

あたしは、今日学校で出た数学の宿題を簡単に解き終わり、家にはあたし以外誰もいないまま、ベッドに入った。
パジャマに着替え電気を消し、寝る準備に入る。



――――

閉じていた目をぱっと開けた。
電気を消した直後は部屋は真っ暗で何も見えなかったが、今はもう目が慣れて、部屋の色々なものが見える。
カーテンをしていてもうっすらと光っているのがわかる月。
クローゼットの取っ手にかけた制服。
つい数時間前まで、健吾と一緒に向き合っていた机....


“こらー。家の前でそんなことしてると、おばさんがびっくりするぞー”

“かなももうすぐ高校生だもんな。そりゃ彼氏だっているよな。”


健吾が言っていた言葉を思い出す。

さっき、なんかいつもと違ったような....
でも何が違ったかはわからない。

あ、そういえば。
新しく買ったトリートメントの香り。健吾は気づいてくれたかなぁ....

そんな事を考えたまま、あたしはウトウトと眠りについた。


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