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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則A-3

――――――――――

7時10分前。健吾はいつも、決められた時間の10分前にはうちに来てくれる。律儀な人だ。

本当は、健吾が家庭教師としてうちに来るのは8時。それから2時間。

でも今日みたく、夜うちの両親がいない日なんかは、健吾のおばさんがあたしの分もごはんを作ってくれる。それで健吾が自分のごはんも持って7時に来てくれて、2人で夕食を済ますんだ。

あたしはこの時間が大好き。
だって勉強の話なんかじゃなくて、今日学校でこんな事をしたとか、友だちとこんな事があったとか、ふつうのおしゃべりができるんだもん。
それにあたしが食器を洗って、ゆすいだ物を健吾が拭いてくれて、なんか新婚夫婦みたいじゃん?

でも今日は....


『だからね、みっくんはただのクラスメイトなの!!ただ辞書貸しただけなんだってば!!』

「はいはい、かなも大人になったモンだなー。
彼氏も感じ良い人だったし。
俺、感心しちゃったもん、ちゃんと知らない人にも挨拶できる所とか。」

『だーから!!』

「はいはい」


こんな感じで、夕食は終わってしまった。
みっくんめ....明日、蹴りでも入れてやりたい。





「んで、こないだ言った事なんだけど。
ちゃんと本読んでるか?」

『あー、それなんだけど....』

「なに、またマンガに走ってる訳?」

『ちがうよ!!
こないだ図書館に行ってみたんだけど、なんか読みたいなって思う本がなくって....結局なんにも借りないまま帰ってきちゃったんだよね。』


もー。あたしだって“先生”の言う事は一応ちゃんと聞いてるのに。
たしかにマンガ好きだけどさっ。


「マンガだとさ、絵とかその....間って言うの?それで全部、なんとなく作者が伝えたい事ってわかるだろ?
小説はそれが活字で表現されてるだけなんだよ。」

『そうそう!!それだからあんまり深く考えなくてもわかるんだよね!!』

「その“あんまり深く考えない”が今のかなにはあんまり良くないのかなぁ。
まぁ、マンガはマンガで勉強になる所もたくさんあるし良いとは思うんだけど。」



....
いっつも“マンガばっかり読んで”って言ってる健吾からの意外な発言。


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