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幼なじみの法則
【幼馴染 恋愛小説】

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幼なじみの法則A-1

あー、寒っ!!
もう秋なんだから当然だ。
あたしは辞書を片手に家の前で、一体何をやっているんだろ。


事の発端は5分程前。
みっくんから、英和辞書を貸してほしいって内容の電話を受けたんだ。
しかも、もうこちらに向かっているとかで、邪険にはできなかった。
でも、うちの中で待っていて、いざみっくんが来た時に
「部屋入れて」
「勉強おしえて」
なんて言われたら、たまったもんじゃない。
ただでさえ今日はカテキョの日、健吾と会える日だというのに――――
悪いけど、早々に帰ってもらお。

それが、まだ夕方とはいえ寒空の中であたしが外にいる理由だ。



それから更に5分後、自転車をのらりくらりとこいだみっくんが来た。


『コラー!!遅い!!』

「あははっ悪ィ!かなこが外で待ってると思ってなかった!!」


もー、また悪びれもなく言うんだから。
でもその笑顔だけでしゃーないなって思っちゃえるのは、さすがみっくん。お調子者、と言えば悪くも聞こえるかもしれないけど、それで笑って済まされるのがみっくんの良さだ。
まぁ、外で待ってたのもあたしの都合だしね。

ホラ、とあたしは辞書を渡した。その時、ちょっとだけみっくんの手と触れた。


「うわっかなこ手冷たい!」

『あー、あたし冷え症だから。お風呂上がりだし。』

「まじで?あ〜....ホントごめん。
髪も....半乾きだった?冷たくなっちまったな。」


普段は頭の上の方でおだんごにしている髪。
家ではシャワーから上がると一つか二つにくくったり、軽く三つ編みしてるんだけど、今日は健吾が来るからそんなダサい髪型できないと思ってまっすぐ下ろしていた。
胸のアンダーくらいまであるその髪を、みっくんが少しだけ手に取る。

....
不覚にも少し、ドキッとした。
だって男の子に髪を触られるなんて事、滅多にないし。


「でも、イィ匂い。」

『え....』


あたしの動揺なんかはスルーして、みっくんは顔をよせてあたしの首元に置いた。
唇が、あたしの冷えた耳たぶにつくかつかないか程の距離。

....!!
うわー!!わー!!
何これ何この状況!!
なんかみっくんいっつもと違う!!なんかエッチ!!
え、どうしたらイィのこれ!!

男子に好かれる事はあれど、なんせ恋愛経験値なんてまったくないんで。
(だって昔から健吾一筋だし)
ていうか、中学生で経験豊富な子なんて、そんなにいないでしょ!!
あたしはみっくんの思惑通りなのか、見事に固まってしまった。


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