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恋人に捧げる舞子の物語
【SM 官能小説】

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恋人に捧げる舞子の物語(黎明編)(その2)-2

午前二時…

あの森の中の獣の夢に、うなされるように目が覚めたあなたはどうしても眠れない。
もの哀しいほどの静寂がたちこめた秋の深夜…あなたは男の肌がひどく恋しくなるときがある。


細かい刺繍のある薄いシルクベージュのキャミソールとショーツ姿のままベッドを離れると、
隣の洋間のスタンドライトを灯す。そして飴色の淡い光に包まれながらその下着を脱ぎ捨て
生まれたままの姿で鏡の前に立つ。


あなたは部屋にあるこの大きな鏡が好きだった。脚の指先や乳輪の色素、そして煙のように靡い
た陰毛の柔らかな毛先…その体の隅々まで映しだし、あなたを優しく抱いてくれるようだった。


そして、あなたの心の奥底までじっと見つめてくれる。うなだれるほど淋しいとき、噛みしめる
ような悲しみに包まれたとき、仄かなときめきのとき…あなたは、穏やかな輝きを持ったその鏡
の前で、自分の白い裸体を映し出す。


歳を重ねるごとに、いつの間にか脆い脂肪に包まれていく熟れた肌…わずかに弛みを帯び始めた
乳房は、そのすそ野から丸みを帯びた膨らみを持ち、その谷間に薄い蒼味を湛えていた。
男に強く吸われたことのある薄桃色の乳首だけは、年齢を考えると自分でも恥ずかしいほど可憐
な蕾のままだった。
腰の括れは以前とあまり変わらないが、下半身からむっちりとした太腿にかけた線には、どこか
ふっくらとした艶っぽい熟れた女の肉の匂いがした。

そして太腿の付け根には、いつの間にか艶やかさを増した繊毛が、まるで自分のものではないよ
うに生々しく息づき、秘裂の溝が厭らしいほど翳りをためていた。


…男に抱かれることがなくなってから、一体どれくらい経つだろう…だれかに捕らえられ、奴隷
のように首輪されたまま、狂おしくしたかった…。 


あなたは、あるSMショップの通販で買い求めた首輪を手にする。それは厚い黒革とステンレス
の尖った鋲が施された重みのある首輪だった。
あなたはゆっくりとその首輪を自らの手でその細い首に嵌める。ひんやりとした革の冷たい感触
が妖しい疼きとなって体全体に伝わってくる。
そのベルトを締めると、あなたの白い喉元が息苦しく緊めつけられる。


「うっ…」

どこか甘美な被虐感が、ほのかな肉欲を誘う。誰かに荒々しく引き回されたいという淫欲が沸々
と湧き上がってくるようだった。
胸元から乳房の谷間を這い、股間の下まで垂れた首輪の鎖が、あなたの飼い主を待っているかの
ようだった。
そのあなたの姿を、鏡がまるで軽蔑するように淡い灯りの中に映し出していた。


いや…首輪をしたあなたは、自由を奪われることで心と体の寂しさを拭い去ろうとしていた。
薄い唇をだらしなく開いたあなたの痴女のような顔の首に妖しく纏う黒い首輪が、あなたのすべ
てを支配しているように鈍い光沢を放っていた。


あなたは、灯りを消すとその首輪を纏ったまま、マンションの部屋の外のバルコニーに佇む。
深い眠りについた街が階下に広がる。あなたの体を啄むような冷気が肌を包み込み、乳首を
なぞりあげ、腹部を這い、海藻のように揺らめく陰毛に絡む。


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