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恋人に捧げる舞子の物語
【SM 官能小説】

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恋人に捧げる舞子の物語(驟雨編)(その1)-1

あれは、あの男の茹でた鶏骨のような細い指だったのか…。

その指は、あなたの甘く匂い立つ首筋から湿り気を帯びた乳房の谷間を這い、乳肌に蛸の吸盤の
ように吸いつく。薄桃色のそそり立つその乳首をなぞり、そのしなやかな乳房の肉肌を深く喰い
緊めるように絡む。その男の指の淫靡なむず痒さに、あなたの乳首の先端がピクピクと欲情した
ように震える…。

まるで金縛りにあったように、身動きできないあなたの体…。

そして、その指はあなたの下腹部を撫であげ、秘丘からその柔らかい白い腿の間へとゆっくり
這い始める。艶やかな肉づきをしたその内腿を、幼虫のような皮膚をした男の指が撫でさする。
やがて男の指は、あなたのその悩ましく盛り上がる淡い繊毛の繁みの中にねっとりと吸いつく。
絹糸のように靡いた淫毛を、淫猥にその指先に絡め、掻き分けながらその柔らかい秘裂の肉をま
さぐる。

あなたは、その淫靡な感触に刺激されるように熱っぽく息を吐き始めるのだった。

 …うっ…うっ…

あなたの額にしだいに脂汗が滲んでくる。性器だけに感じる男の指…あなたは苦しげに眉根を
寄せ、唇から嗚咽を洩らす。

指はあなたの淫唇に微妙な刺激を与えながらも、どこか甘い匂いのするしっかりと閉じられた桜
色の割れ目を擽るように揉みほぐす。しだいに翳りをもった薄紅色のあなたの貝肉は、指の蠢き
に潤み始める…。


あなたはその甘美な肉の疼きに喘ぎ、悶えながらもその指の愛撫に酔っていく…。


やがてあなたの体全体が男の指を欲し始めたとき、あなたの陰部がその指をしゃぶるように肉唇
の奥に少しずつ含んでいく。淡紅色の媚肉は、しだいに甘い蜜液で濡れ、その蕾のような肉芽が
男の指と淫猥に戯れる。

男のその細い指先は、やがて深く、深くあなたの陰部に挿入される…


 …ああっー、うっ…


膣奥を深く犯すような嗜虐的な指の妖しい蠢きに刺激され、あなたの体が弓のように反り、淫ら
にそそり尖った乳首がぷるぷると震え、その黒髪がその白いうなじに悩ましく乱れる。その紅潮
したあなたの頬が、瑞々しい艶めきを持ち始めていく。




あの日、偶然出会ったあの痩せた男の指が、なぜか繰り返し夢の中に浮かんでくる。
あなたはパソコンのキーをたたく指を止める。一年前に恋人と別れてから、あなたはマンション
の窓の外に広がる霞んだ街にふと目を向けることが多くなった。
あなたは「谷 舞子」というペンネームでインターネットの投稿小説サイトに文章を書いていた。

 …年齢二十五歳OLか…そんなときもあったわね…

その文字に思わずあなたは苦笑する。おそらく、このペンネームに気がつくのは、あなたの別れ
た恋人だけかもしれない…。そんな恋人に、もう触れられることがない渇いた肌を引きずりなが
ら書き綴ったあなたの文章は、あなたのすべてを物語っていた…。


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