投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

操れるかも! 操られるかも!?
【その他 官能小説】

操れるかも! 操られるかも!?の最初へ 操れるかも! 操られるかも!? 28 操れるかも! 操られるかも!? 30 操れるかも! 操られるかも!?の最後へ

操れるかも! 操られるかも!?-29

「ところで圭ちゃん大丈夫?」
「え? ああ、大丈夫だ」
「本当? ……もしかして力の副作用とか?」
「力?」
 千佳が眉をひそめて美奈子を見る。
 俺が話をそらそうと口を挟む間もなく美奈子は次々に言
葉を継ぎ足す。
「千佳ちゃんは知ってる? 斉木家の力のこと」
「……他人を……自由に操る力、とか」
「そう、それ」
「……高杉先輩は知ってるんですか?」
「知ってるもなにも昨日の夜はひどい目にあったわよぉ」
「……昨日の……夜に、ひどい目、ですか?」
 俺は話の展開が危険な方に向かっている気がした。千佳
が手に持つほうきの柄のきしむ音が聴こえてくる。
「そう、昨日の夜に。まあ結果的には二人の仲は急接近し
たんだけど」
「……二人の仲……」
「それでも、すごく恥ずかしかったから、夜明けに報復し
たのよ」
「……恥ずかしいことされて……夜明けに先輩と一緒だっ
たん、ですか?」
「え? うん。鍵持ってるから圭ちゃんの部屋で」
「……そうですか。先輩の家の合鍵も持ってるんだ」

 俺は千佳が昨日の出来事を誤解していることは承知の上
だが、それ以前に美奈子と関係を持ったのは事実だし、下
手に口出して昨晩の由希子さんとのことまで二人にばれた
らもうどうしようもなくなりそうな気がしたので、勢い黙
って成り行きを見守るしかなかった。

「あ、大介ちゃん、戻ってきたみたい」
 千佳と話していた美奈子が部室へと向かってくる大介を
発見して駆け寄っていく。
 姿が小さくなっていく美奈子から部室内に視線を移動さ
せると、そこにはほうきを持ったままぎろりと俺を睨んで
いる千佳の姿があった。


 第9話 おわり


操れるかも! 操られるかも!?の最初へ 操れるかも! 操られるかも!? 28 操れるかも! 操られるかも!? 30 操れるかも! 操られるかも!?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前